次の一歩を踏み出したい若手PM必見!押させておくべきQCDの基本と応用

従来の製造業で培われたQCDの管理手法では、現在のシステム開発にはフィットしない事が多く、PMBOKのフレームワークを活用する機会が増えているのではないでしょうか?
ただし、多くの小規模プロジェクトではそのまま活用することが難しく、壁にぶつかっているプロジェクトマネージャーも多いと思います。

  • 自分の担当するプロジェクトは、小規模な為、PMBOKの内容では実務とかけ離れていて上手く活用できない。
  • はじめてPMに任命されたので、納期・品質・コストに関して目標を達成したい。
  • 日々業務が忙しく、本を読む暇がない。ただし、QCDの知識を高めたい。

など、色々な悩みを抱えているのではないでしょうか?

本記事では、QCDの基本から、小規模プロジェクトでのPMBOKの考え方について、優しく説明します。プロジェクトを成功に導くノウハウとして、ぜひ本記事をご参考下さい。

 

 

1.QCDとは?QCDの基本について

皆さんも良くご存じかと思いますが、

Q…品質 quality
C…価格 cost
D…納期 delivery

の頭文字をとったのがQCDです。

プロジェクトの目標はQCDを達成する事で、その成果を得るための管理項目として、PMBOK(ピンボック)のフレームワークを多くのプロジェクトマネージャーが活用しています。

PMBOKについて、まだ理解不足の方は、ぜひこちらの内容もご参考にして下さい。

https://www.crowdlog.jp/blog/2016/06/03/106054/?2017_09_07_qcd-for-young-manager

ここでは、PMBOKのフレームワークにおけるQCDの内容を簡潔にまとめました。
また、PMBOKは大規模プロジェクト向きに解説されている記事が多いですが、この記事では小規模プロジェクトへの活用方法も解説します。ぜひご参考にしてください。

 

1-1.【Quality】(品質)の基本

プロジェクトの規模により、品質・マネジメントをきちんと行っていく必要はありますが、小規模プロジェクトでは、後述する内容を事細かく実施する必要が無い場合も多くあります。
プロジェクトメンバーとの認識を合わせ、プロジェクト完了時点で、品質をチェックすることで十分な場合もあります。
プロジェクトマネージャーの知識として以下の管理手法はおさえておきましょう。

・品質計画

プロジェクト計画の過程で、品質を保証し改善してくための組織構造、責任、手順、プロセス、および、経営資源を定義したものです。品質方針に従い、品質マネジメント計画書に記載します。

品質保証

品質マネジメント計画書に従い、プロジェクトの実行過程で、品質監査など、プロジェクトの成果物とプロセスが適切な品質かどうかを監査するための指針です。品質管理での収集データを活用します。

品質管理

プロジェクトの実行中にあらゆる活動結果が適正かどうかを品質マネジメント計画書に従い、成果物の品質検査を確認し、問題点を抽出し改善を行います。

 

1-2.【COST】(価格)の基本

コスト管理については、大規模プロジェクトでも小規模プロジェクトでもコスト見積もり項目はあまり変わらないと思います。
大規模プロジェクトになれば、タスクが細分化され、予算規模が大きくなります。

・コスト・マネジメント計画

コスト・マネジメントに関する行動指針を記載したコスト・マネジメント計画書を作成します。コスト・マネジメント計画書は、プロジェクトのコスト様式を定めて、さらに計画、構造化、見積もり、予算化、コントロールのための基準を設定するものになります。

・コスト見積もり

各プロジェクト活動に必要な概算金額を算出します。

・予算設定

コスト見積りを積算し、コスト・ベースラインを作成し、認可を得ます。承認後、コスト・ベースラインとなります。

・コスト・コントロール

コストの実績とコスト・ベースラインとの差異を分析し、必要に応じて見直しを実施します。

 

1-3.【DELIVERY】(納期)の基本

品質・マネジメントと同様に短期間の小規模プロジェクトでは、PMBOKで定義されている詳細なタイムマネジメントは必要ではないかも知れません。
プロジェクトメンバーとの認識を合わせる事で十分な場合もあります。
プロジェクトマネージャーの知識として以下の管理手法はおさえておきましょう。

・スケジュール・マネジメント計画

スケジュールをコントロールするための基準とアクティビティを定めた文書で、スケジューリング・プロセスのルールや手法を定義し、スケジュール・マネジメント計画書を作成します。

・アクティビティ定義

WBSのそれぞれのタスクの洗い出しを行います。
WBSについては、こちらの記事をご参考にしてください。

https://www.crowdlog.jp/blog/2015/10/14/102810/?2017_09_07_qcd-for-young-manager

・アクティビティ順序設定

それぞれのタスクを進めるための順序を取り決めます。

・アクティビティ資源見積もり

それぞれのタスクに必要な、メンバーや資源の見積もりをします。

・アクティビティ所要期間見積もり

それぞれのタスクに必要な作業工数を見積もります。

・スケジュール作成

それぞれのタスクを実行するためのスケジュールを立案します。

・スケジュール・コントロール

プロジェクトの進捗状況を把握するために、プロジェクトの状況を監視し、スケジュール・マネジメント計画書に基づき、スケジュールを管理します。

 

2.小規模プロジェクトの勘所!スコープ管理と要員管理の基本とは

従来のQCDは、製造業で培われた管理手法が中心で、プロジェクト管理の要素として、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(納期)という3つの目標を定め、プロジェクトをコントロールするというものです。

しかし、掲げた目標に向かって進むだけでは上手くいきません。その目標を達成するプロセスの重要性にも着目され、コントロールする必要があります。
このような考え方に基づいて、PMBOKではスコープ管理、リスク管理、要員管理、コミュニケーション管理、調達管理もQCDを達成するには、重要となっています。ここでは、小規模プロジェクトでも重要となるスコープ管理、要員管理について解説します。

 

2-1.スコープ管理

プロジェクトの目標や作業範囲、成果物をきちんと定義し、その承認、検収について管理することです。スコープには成果物スコープ(Product Scope)とプロジェクトスコープ(Project Scope)があります。

例えば、システム開発プロジェクトの場合、

  1.  ユーザーインタフェースとなる画面一覧の作成
  2.  システム仕様にある機能一覧の抽出
  3.  上記を実現するうえで必要となる設計書やデバッグ・試験方法などの成果物一覧の作成
  4.  成果物の量を踏まえ、予算やスケジュールの策定

これらを実施する過程で、事前に取得すべき技術や情報、さらに追加の成果物などが見えてきます。
その結果、タスク量も明確になり、成果物・タスクのスコープが確定します。

 

2-2.要員管理

まず、プロジェクトの組織図、タスクの役割分担、プロジェクトメンバーのマネジメント計画書を作成します。次に、内部・外部からプロジェクトに適合するメンバーを集め、タスクにアサインします。その後、集められたメンバーを1つのチームとしてまとめ、パフォーマンス向上のためにゴールに向かって進んで行けるチームづくりをしていきます。

プロジェクトが進むにつれ、チームワークの向上やメンバー同士の摩擦が生じ、その解決のために、プロジェクトマネージャーは、リーダーシップを問われることになります。

PMBOKの要員管理は大規模なプロジェクトをいかに管理するかという事が中心ですので、小規模プロジェクトの場合は、少し違う視点を持つことが必要です。管理するというよりも、チームメンバー個人個人のモチベーションを上げる事へ意識することが重要です。

 

3.QCDを効率的に進めるためにツールの活用が必須!積極的にツールを活用すべし!

QCDを管理し、向上させることが、プロジェクトの目的を達成し、顧客満足に繋がります。プロジェクトは簡単なものではありません。ツールなしでは多くの場合、プロジェクトの管理が困難です。プロジェクトを成功させるためにプロジェクト管理ツールの活用が必要不可欠です。

プロジェクト管理ツールでは、ガントチャート機能が備わっており、プロジェクトに関するタスクやその流れを視覚化することができます。さらにプロジェクトメンバーと共有することで、タスクの開始時期や終了時期、タスクの流れや進捗状況をリアルタイムで把握することができます。

また、タスクにアサインされている担当者とも管理ツールを通じてコミュニケーションを取ることが可能です。特に、タスクの進捗状況をリアルタイムで確認できることは、納期の管理において大きな成果を上げます。

さらに、プロジェクトメンバーの誰が今何をしているのかをリアルタイムで把握することができるので、スケジュールに余裕のあるメンバーや空いているメンバーを確認し、効率的にタスクを振り分けることができます。結果として納期短縮や工数削減に繋がり、コスト管理でも重要となります。

そして、品質の向上には、チームメンバーとの意見交換が重要となります。特に課題や問題が起こったらすぐにコミュニケーションを取り、進めるべきタスクと止めるべきタスクを即時決定することもプロジェクトマネージャーの必要な役割です。

プロジェクト管理ツールには、タスク毎やメンバー全体など、意見交換ができるフォーラム機能や、製作ガイドラインをまとめる機能がありますので活用しコミュニケーションを活発に行う環境を整えることも重要です。

様々な会社がプロジェクト管理を支援する便利なツールを提供していますので、フル活用してプロジェクトの品質、コスト、納期を向上させましょう。

 

4.まとめ

この記事では、QCDの目標を達成するうえで、その過程を管理する事と小規模プロジェクトにフィットさせる為のポイントを体系的に解説してきました。小規模プロジェクトのQCDの理解が深まったのではないでしょうか?
今後もより短納期で低コストを求めるプロジェクトが増えていくことでしょう。プロジェクトを成功に導くためにぜひプロジェクト管理ツールを活用しましょう。次は、プロジェクト管理ツールについて調べてみて下さい。

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