プロジェクトマネジメント必勝法!3種類のマネジメントで成功へ導く!

プロジェクト マネジメント

今回は、プロジェクトを推進していく上で必要となる代表的なマネジメントの考え方3つをご紹介します。

「時間」「コスト」「人的リソース」の3つの視点からプロジェクトマネジメントをいかに行っていくと良いかについての解説を行います。

どの分野のマネジメントにおいても計画と実行が大切であり、PDCAサイクルを上手く回しながら、軌道修正が必要な場合には柔軟な対応ができるように、日頃から準備しておくことが求められます。

現在、プロジェクト・マネージャーとしてご活躍されている方も、これからマネージャーとして活躍することを望んでいるという方も、本記事を読んで、マネジメントの重要性を改めてご認識頂ければと思います。

プロジェクトの総合的なマネジメント力

プロジェクトマネージャー マネジメント

プロジェクトは誰かが作業のすべてを体系づけて1つにまとめる必要がありますが、その役割を担うのが、プロジェクト・マネージャーの仕事です。

例えば、プロジェクト期間中は常に状況が変化しますが、プロジェクト・マネージャーの仕事は変化を阻止することではなく、変化を効果的に管理していくことです。
それも、マイナスの方向に進むのではなく、プラスの方向に舵を切れるように意志決定を行う必要があります。

さまざまな変化の波にのみ込まれないように、適応していくことが大切です。

プロジェクト計画時のマネジメント

どのプロジェクトにおいても、計画策定で最初にやるべきことの1つが、スコープ(プロジェクト範囲)の定義です。
計画の段階で、プロジェクトが何を含み、何を含まないのかを明確にしておく必要があります。

顧客とのやり取りを通じて、明確なスコープ記述書を作成し、レビューをして頂くなどして、双方の合意点を探ります。

スコープ記述書とは、プロジェクトの青写真のようなもので、プロジェクトの最終製品やサービスの特徴などが記述されているものです。
とりわけ、ステークホルダーが期待していることを確認し、管理するのに役立つものです。

そして、計画策定によって仕上がるプロジェクト計画書は「基準計画」(ベースライン)として活用します。
プロジェクト計画書とは、作業工程や作業工程ごとの担当者や責任者、スケジュール、見積り、進捗管理方法や資源調達方法などが記載されたドキュメントのことです。

プロジェクト終了時には、計画段階で作成した基準計画をもとに、作業が完了したことを検証し、顧客に受け入れてもらうことになります。
ですから、スコープの作成が重要であり、顧客とのやり取りを通じて適切なプロジェクト計画を立てる必要があります。

基準計画があることで、プロジェクトの進捗と共に、計画がどのように変化していったのかを確認することもできます。
また基準計画は、プロジェクト終了時に教訓を収集する際の貴重な情報源にもなるので、反省点を洗い出すことで、プロジェクトを積み重ねていくごとに改善を図ることが可能となります。

プロジェクト計画変更時のマネジメント

プロジェクトには変更がつきものですが、その際、プロジェクトの変更管理の手順を確立しておくと良いでしょう。
最終的にはドキュメントの計画書が顧客とのやり取りにおいて幅を利かせますので、計画時と差異がある場合は、適切な形で変更履歴の記録を残しておくことが大切です。

変更管理の最終フェーズは、プロジェクト計画書の更新となります。
予算やスケジュールへの変更や修正を反映したものが、その時点での新たな計画となります。

顧客だけではなく、プロジェクトメンバーとも最新の計画を共有しておくことで、メンバーが当初計画との認識違いを起こさないようにコミュニケーションを図ることが大切です。

この部分のコミュニケーションが適切に行われていないと、手戻り等の作業ロスが増えるので、注意が必要です。
プロジェクト・マネージャーとしては、顧客からどんな変更要求が出される可能性があるのかあらかじめ予想し、メンバーにも周知しておくことで、急な変更にも対応しやすくなります。

実施済みの変更箇所は適宜記録し、プロジェクトが終了した際には文書化して保存しておきましょう。

それでは、以下より代表的な3つのマネジメントの考え方についてご紹介していきます。

1. プロジェクト・タイムマネジメントの重要性

 プロジェクト スケジュール マネジメント

改めて解説することもないほど、タイムマネジメントの重要性を理解されている方も多いでしょう。
それほど重要なタイムマネジメントですが、ここでは2つの視点から解説を行います。

一つは、計画をスケジュール通りに実行することが最重要の場合です。
このケースで挙げられるのが、単に納期を守るということだけではなく、競合他社の存在がちらついている場合です。

似たようなシステムを競合他社も開発している場合は、少しでも早く製品を世の中にリリースすることが求められます。
そのため、スケジュールの遅延は企業にとっても大損失であり、許されるものではありません。

進捗会議がタイムマネジメントのキーポイント

一般的にプロジェクト進行中は、週に数回程度の進捗会議を行うでしょうが、そこで各メンバーの状況を把握し、適切な対応を取ることが重要です。
基本的に各タスクは、割り振られたメンバーが責任を持って完成させることが求められますが、なかなかそう上手くいくものでもありません。

進捗会議を単なる報告会で終わらせるのではなく、スケジュールが遅延しているメンバーがいる場合に、対応策を考えて実行することが大切です。
単純にスキルが不足しているのか、そもそもそのメンバーに作業が偏りすぎているのかなど、原因はいくつも考えられると思いますが、その打開策を考えることが重要です。

1日2日で急激にスキルが伸びるというのは考えにくいことですから、現実的な打開策を検討することが重要です。
例えばスキルが足りないなら、どの程度までならできそうなのかを適切に把握し、そのメンバーに合った作業を割り振ることが重要です。

仮に、そのメンバーにとって難しそうな作業を割り振るのであれば、スケジュールに余裕を持たせる等の対策が必要でしょう。 プロジェクト進行中に理想論で作業を割り振るのは、とても危険なことです。
「できたら良いな」という考えでは、いつまでたってもスケジュールの遅延は解消されないでしょう。

そうではなく、現実的に見てメンバーの力量に合った作業を割り当てていくために、進捗会議を行うことの意義があると言えます。
そのような対応を取っていくことで、少しでもスケジュールの遅延を解消していくことができるでしょう。

品質担保がより重要なケース

続いては、時間的なスケジュールも大事ですが、最重要ではないケースについてご紹介します。
もちろん、スケジュールを遅延して良いということではありませんが、例えば、オンプレミス型やインストール型の製品で、時間的な制約よりも、システム導入後にソフトウェアがスムーズに動いてくれることの方が重要だというケースもあります。

つまり、リリース時期よりもリリース後の品質を重視するというケースです。
こういった場合は、多少時間がかかってでも、品質を担保し、システム導入後に誤作動が起きないように万全の態勢を取ることが重要です。

しかしながら、時間が最重要ではない場合でも、スケジュールの延長はコスト増加につながるということを頭に入れておくべきでしょう。

 

どのプロジェクトでも時間と品質の両方が重要であることに相違はありませんが、システムを取り巻く状況に応じて臨機応変に対応していくということも、マネジメントを行っていく上で重要な要素となります。

いずれのケースでも「マイルストーン」(里程標)と呼ばれる、プロジェクトにおいて重要な期日を設定しておくと良いでしょう。

各ポイントで期日を設定しておくことで、メンバーもそこに向けてモチベーションを高く保ったまま作業を進めることができます。

また、進捗報告の際の目安ともなるので、作業ごとや機能ごとのマイルストーンを設定しておくとマネジメントを行いやすくなります。

2. プロジェクト・コストマネジメントの重要性

予算 マイルストーン コスト

プロジェクト・マネージャーとしては「予算をどのように消化しているのか」をいつも気にしておくべきです。
なぜならば、プロジェクトコストがどのくらいかかっているのかについて、経営陣やステークホルダーから常に報告を求められるためです。

プロジェクト資金は一般的に、他のプロジェクトとの兼ね合いとなります。
一つの事業だけを行っている企業なら、その一つに全てを投下すれば良いでしょうが、複数の事業を行っている企業はそういうわけにはいきません。

後者のような多くの企業は、限られた予算を複数のプロジェクトや他のさまざまな案件に分散して投下します。
プロジェクトマネジメントを行っていく上では、このように社内においても他の案件と競合していることを頭に入れておくべきでしょう。
万一、プロジェクトに追加資金が必要となった場合には、他のプロジェクトや案件から資金を譲り受ける必要があります。

その際には、経営陣や他のプロジェクト・マネージャー陣を納得させるための根拠を提示する必要があります。
もちろん逆も然りで、自分自身のプロジェクトが上手くいっていない(投資するに値しない)と見られていれば、予算が削減されることもあるという厳しい世界です。

そのためのコストマネジメントであり、予算の配分と使い方を常に把握しておくことが重要です。
また、地震等の自然災害で、事業が正常通りに立ち行かなくなるというリスクもないわけではなく、予算の中には予備費を組んでおくことも大切でしょう。

予備費を使うのは、緊急事態の場合のみで、予備費を除く予算内で完結できるように手を打っておくことが求められます。
ある程度立場が上になり、経験を重ねると、資金を追加して欲しいと経営陣に懇願するのは、とても大変なことだと理解されていくでしょうから、その前に対策を講じることが重要です。

まずは他のプロジェクトも含めた予算決めの段階で、説得力のある説明をして、必要な資金を確保しておくことが第一関門と言えるでしょう。

3. プロジェクト・人的リソースマネジメントの重要性

プロジェクト組織図を作成することで適切な人員配置を

プロジェクト 規模 リソース

人的リソースマネジメントは、プロジェクト規模の大小を問わず、プロジェクトの安定稼働と、成功のためには重要な要素の一つです。
プロジェクトを実行するのも、マネジメントするのも結局は人ですので、そのリソースを適切に確保して、プロジェクトを進めていくことが大切です。

人的リソースを確保する際にはまず、プロジェクト規模に応じた組織図を作成すると良いでしょう。
組織図があることで、メンバー構成も視覚的に理解しやすくなります。

すんなりと人員配置ができれば問題ありませんが、そうではない時に、穴を埋めるために人を増やす必要性が出てきます。
そういった場合にも備えて、組織図を作っておくことで、チーム各人の役割を明確にしておくことが大切です。

役割を明確にしておくことで、人を増やす際にも、なぜそのメンバーが必要なのか、経営陣やチームメンバー、本人に対して説得力のある説明が可能となります。
そうすることで受け入れがしやすくなり、プロジェクトの重要リソースである、メンバーの確保を上手く行うことができます。

プロジェクト開始時だけでなく、特に長期プロジェクトの場合には、プロジェクト進行中にも人員を増強する必要があるケースが出てくるでしょう。
そういった場合にも、社内の調達方針や手順に従い、適切な形でメンバーを追加します。
いずれのケースでも予算との兼ね合いもありますので、なぜメンバー増員が必要なのかといった根拠を示す必要があります。

そうしてプロジェクトチームが出来上がったら、あとは勉強会や研修を行うなどといったメンバーの育成をしながら、プロジェクトを前へ推進していくのみです。
作業効率やチームワークを高めるために、オフィスの配置を工夫するなどといった対策も時には有効です。

また、どんな時もメンバーとのコミュニケーションは欠かせませんので、適切なタイミングでコミュニケーションを図ることが重要です。
プロジェクト・マネージャーとしては、プロジェクトメンバーだけでなく、経営陣やステークホルダーとのコミュニケーションも欠かせないものとなってきますので、両者への対応が求められます。

まとめ

プロジェクトマネジメントにはさまざまな種類のマネジメントがありますが、今回はその中でも特に重要な3つのマネジメントの考え方についてご紹介してきました。

その他にも、案件を獲得するためのマネジメントや、製品の品質を高めるためのマネジメント、プロジェクトリスクに対するマネジメント、プロジェクトを終わらせるためのマネジメント等、さまざまなマネジメントがあり、そういった一つ一つのマネジメントを正確に行っていくことで、プロジェクトは無事終了に向かいます。

製品リリース後も、運用や保守開発等も必要となってきますので、一つのプロジェクトが始動してから、顧客の元に渡り、実際に利用して頂くということになると、かなりの長い年月となります。

そういった長期にわたって、自身のことだけでなく、チームメンバーや経営陣・ステークホルダーを上手くマネジメントしていくのは容易なことではありませんが、そこに挑むだけの価値はあります。

さまざまなマネジメントスキルを身につけて、自分に合ったマネジメント手法を見出すことができれば、プロジェクト・マネージャーとしての仕事の幅も広がっていくでしょう。

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