タスク管理を適切に行うと、日常業務の効率化につながります。今回は、タスク管理が上手い人の特徴やタスク管理ツールの必要性、タスク管理ツールを導入するメリット・デメリットなどを解説します。タスク管理ツールを選ぶポイントや、おすすめのタスク管理ツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
タスク管理とは
タスク管理とは、やるべき作業（タスク）を順序立てて、効率的に進めるための手法です。プロジェクト全体や個人のタスクを可視化し、納期やスケジュール、優先度などにもとづいて遂行することを意味します。
タスク管理を行う場合、まずは担当業務を細分化し、タスクに優先順位・期限を設定したうえで、それぞれのステータス（進捗状況）を管理するケースが一般的です。
タスク管理はいわば、業務を効率良くこなすためのセルフマネジメントであり、仕事を着実に進めるうえで欠かせないビジネススキルのひとつです。
タスク管理を行うことで、適切な時間配分や集中力・モチベーションの維持などにもつながるため、個人の業務効率化に加えてチーム全体の生産性向上も期待できます。
プロジェクト管理との違い
プロジェクト管理とは、プロジェクト全体の進捗状況やスケジュール、リソースなどを統括的に管理することです。プロジェクトの立ち上げからゴールまでの期間に実施するため、数カ月～数年ほどの長期的な時間軸で取り組むケースが多くなります。
一方、タスク管理は、プロジェクトにかかわるタスクであるかどうかにかかわらず、日々の業務を効率的に進めるための管理手法です。定常業務や短期のタスクに焦点を当てており、数日～数週間ほどの期間で完了するケースが一般的です。
また、プロジェクト管理は、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーなどが行うことが多く、チームメンバーは指示されたタスクが期限内に完了するように業務を進めます。
タスク管理は、タスクの着手順・進め方を個々が判断するケースが多いため、個人の裁量が大きいことが特徴です。
【無料資料】工数管理を軸にした生産性向上・業務改善の5つのステップ
タスク管理が上手い人の特徴
タスク管理が上手な人には、次のような特徴があります。
・タスクを可視化している
・タスクに優先順位を付けている
・タスクにかかる工数を把握している
・スケジュールに余裕を持たせている
・チームメンバーの進捗状況をチェックしている
以下で、それぞれについて紹介します。
タスクを可視化している
タスク管理が上手い人の特徴としてまず挙げられるのが、タスクの可視化を意識していることです。タスクを可視化すると、「どの作業から着手すべきか」「いつまでに完了させる必要があるか」などを判断でき、優先順位や期限を意識して計画的にタスクを進められます。
自分がやるべきタスクを整理し、見える状態にしてから作業を進めれば、効率的な時間配分がしやすくなり、着手漏れを防ぐことも可能です。
タスクに優先順位を付けている
タスク管理が上手い人は、タスクごとに緊急度・重要度を設定し、作業に取りかかる優先順位を決めているという特徴があります。目の前にあるタスクからとりあえずこなすのではなく、納期や重要度などを踏まえて着手していくことで、スケジュール調整に役立ちます。
また、「どのタスクをいつ行うか」をあらかじめ計画しておけば、始業時にはその日やるべきことが明らかになっているため、スムーズに業務を進行できます。
タスクにかかる工数を把握している
タスク管理が上手い人は、工数の見積もりが適切です。過去の経験や類似タスクのデータをもとに工数を予測し、計画的にスケジュールを組むことができます。
タスクにかかる工数をきちんと把握できていれば、優先順位や納期までのスケジュールも判断しやすくなります。タスクの量が増えても冷静に対処できるようになり、効率的にタスクを処理することができます。
スケジュールに余裕を持たせている
想定外のトラブルや遅延を考慮し、余裕のあるスケジュールを設定できることもタスク管理が上手い人の特徴です。トラブルが発生すると再スケジュール（リスケ）が必要となり、タスクの優先順位が変わるケースも少なくありません。
余裕のあるスケジュールを組んでおけば、急な変更があった際も臨機応変に対応でき、スムーズなスケジュール調整につながります。
チームメンバーの進捗状況をチェックしている
タスク管理が上手い人は、チームメンバーや関係者の進捗状況も把握している傾向にあります。他の人の進捗状況に左右されるタスクもあるため、重要な視点といえます。
タスクの進捗状況や課題などをチェックしていれば、「同僚や部下にタスクを任せる」「トラブルが発生しているメンバーをフォローする」といった柔軟な対応が可能になり、チームのタスク管理に役立ちます。
タスク管理ツールの必要性
近年は、情報過多や業務プロセスの複雑化により、業務上のタスクを把握・管理しづらいことが課題とされています。このような課題を解決するための手段として、タスク管理ツールの導入が効果的とされています。
タスク管理ツールを導入すると、プロジェクト全体のスケジュールや、チームメンバーごとのタスクの進捗状況を把握しやすくなり、生産性向上につながることが大きなメリットです。
また、リモートワークを導入している企業も増えており、タスク管理ツールの必要性がさらに高まっています。タスク管理などのデジタルツールを活用することで、遠隔地のメンバーとも情報共有がスムーズになり、より円滑にコミュニケーションが取れるようになります。
タスク管理ツールの導入メリット
タスク管理ツールの導入によって、次のようなメリットを得ることができます。
・タスクの進捗状況を細かく把握できる
・タスクの抜け漏れを防げる
・業務へのモチベーションが向上する
・用途に合わせてカスタマイズできる
・ナレッジの共有に役立つ
以下で、それぞれのメリットについて紹介します。
タスクの進捗状況を細かく把握できる
タスク管理ツールを導入するメリットは、タスクの進捗状況を細かく把握できることです。
ツールを使うことによって、プロジェクト全体のスケジュールや、メンバーごとの進捗状況をリアルタイムで確認できます。
チームメンバー同士での情報共有にもつながるため、進捗状況の確認・管理が煩雑になりやすい局面（複数チームを編成する大規模プロジェクトなど）にも適しています。
タスクの抜け漏れを防げる
タスク管理ツールを導入すると、タスクの抜け漏れを防ぐことができます。ツールに搭載されている通知機能やリマインダー機能を活用すれば、納期を意識してタスクに取り組めることがメリットです。
また、自身のタスクを一覧化して管理することで、着手漏れ・報告漏れなどの防止にもつながります。
業務へのモチベーションが向上する
タスク管理ツールを活用すると1日のやるべきタスクが明確になるため、効率的にこなしていくことで達成感を得られます。タスク整理にかかる時間も削減でき、必要な業務にリソースを使えるため、モチベーションが向上することがメリットです。
また、タスクの進行状況を共有することでメンバー同士のコミュニケーションが促進され、良いチーム環境で仕事ができるという効果も期待できます。
用途に合わせてカスタマイズできる
タスク管理ツールを導入するメリットは、用途に合わせてカスタマイズできることです。
プロジェクトやカテゴリごとにタスクを一覧化すれば進捗状況をひと目で確認でき、期限に近いタスク・重要度の高いタスクなどを優先的に表示させるといった使い方も可能です。タスクをステータス（未着手・対応中・待機中など）に応じて色分けする機能なども、カスタマイズに活用できます。
ナレッジの共有に役立つ
タスク管理ツールには毎日の作業がデータとして蓄積されるため、ナレッジの共有にも役立ちます。
過去のプロジェクトにおけるタスクの進捗状況、設定した期限、担当者の情報などを参照すれば、類似プロジェクトにアサインされた際の資料として活用できます。
また、成功プロジェクトにおけるタスクを参照し、業務の切り出し方や担当分けの参考にすれば、目標達成の再現性を高めることが可能です。
【無料資料】最適な工数管理方法の選び方と管理ツールの費用対効果
タスク管理ツールの導入デメリット
タスク管理ツールを導入する際には、次のようなデメリットもあります。メリットだけでなく、デメリットも把握したうえで実際に導入するかどうかを検討しましょう。
・コストがかかる
・操作方法の習得に時間がかかる
・タスクが多いと管理が煩雑になる
・運用ルールの設定が必要
・情報漏えいのリスクがある
以下で、それぞれのデメリットについて紹介します。
コストがかかる
タスク管理ツールを導入するデメリットとして、まず挙げられるのがコスト面です。
タスク管理ツールには無料プランもありますが、利用できるメンバーの人数やプロジェクト数に上限が設けられている場合が多く、チームでの利用には向いていません。
使える機能にも制限があるため、実用的に使いたいのであれば、有料プランへのアップグレードが必要です。
タスク管理ツールの月額料金は数千円～数万円と幅があるため、費用対効果を考慮して比較・検討しましょう。
操作方法の習得に時間がかかる
タスク管理ツールには多くの機能が搭載されており、使いこなすことができれば効率的にタスクを遂行できます。ただし、使いこなすまでに時間と労力がかかり、とくに高機能なツールほど、操作の習得に時間がかかることがデメリットです。
例えば、タスクの並べ替えやタグ付けなどの機能を活用すれば、タスク管理を効率化できますが、適切に設定するためにはツールの仕組みや使い方を理解する必要があります。操作方法や機能に慣れるまで、一時的に作業効率が下がる可能性がある点には注意しましょう。
タスクが多いと管理が煩雑になる
プロジェクトの規模が大きくなるほど、タスクの種類や数が増えていきます。タスクが膨大になるほど管理が煩雑になり、プロジェクトやスケジュールの全体像を把握するのが難しいことがデメリットです。
タスクの多さによってツールの画面が見づらくなり、探している情報にたどり着くまでに時間がかかったり、重要な情報を見落としてしまったりする可能性があります。
また、ツールへの入力項目が多すぎると、タスク管理自体が負担になってしまう場合もあります。
運用ルールの設定が必要
タスク管理ツールをチームで活用するためには、運用ルールの設定が必要です。例えば、タスクの仕分け方やタグ付けの方法、進捗報告の回数など、ツールを使用するうえでのガイドラインを明確にすることが大切です。
ツールを導入しても、メンバーに定着しない状態では十分な効果を発揮しません。また、運用ルールがあいまいな状態では、タスクの重複や入力漏れが発生し、進捗状況をきちんと把握できない可能性があるので注意が必要です。
情報漏えいのリスクがある
タスク管理ツールには、自社やプロジェクトに関するデータを入力するため、情報漏えいのリスクがあります。とくに、クラウドベースのツールでは、インターネット上にデータが保存されるので注意が必要です。
ツールのセキュリティ対策が不十分だと、不正アクセスによって機密情報が漏えいしたり、サイバー攻撃によってデータが流出したりする可能性があります。
タスク管理ツールの選び方とポイント
ここでは、タスク管理ツールを選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。
自社が求める機能を搭載しているか
タスク管理ツールを選ぶ際は、プロジェクトの規模や自社のニーズとマッチする機能を搭載しているかがポイントになります。
・タスクの抜け漏れが頻繁にある
・タスクの期限を管理できていない
・メンバー間のコミュニケーションが不足している
例えば、上記のような課題を洗い出すことで、ツールに求める機能が明確になります。
直感的に操作できるか
ツールの操作性も、選定ポイントのひとつです。直感的に操作できるツールであれば、従業員の学習コストを抑えることができ、スムーズに社内に導入できます。
必要な機能にアクセスしやすいか、モバイルアプリの提供があるかといった観点からも使い勝手の良し悪しを確認し、ストレスなく利用できるツールを選ぶと良いでしょう。
外部システムと連携可能か
外部システムとの連携機能を比較・検討することも重要です。例えば、カレンダーやCRMなどと連携できるツールを選ぶと、業務に関する情報の一元管理が可能となり、効率化が期待できます。
また、APIが公開されているかどうかも重要なポイントです。APIが公開されている場合、自社システムと直接連携してカスタマイズした機能を追加することもできます。
カスタマイズ性が高いか
自社の業務フローに合わせてカスタマイズできるツールもおすすめです。例えば、大規模なプロジェクトが進行中の場合、タスクをステータスやカテゴリーごとに分類したり、関連タスクをグループ化したりできる機能があると役立ちます。
また、タスクの表示形式や通知設定をカスタマイズできるツールを選ぶと、より効率的にタスクを管理できます。
セキュリティ基準を満たしているか
タスク管理ツールは基本的にセキュリティ対策を施していますが、ツールによってセキュリティレベルが異なるため、自社の基準を満たすかどうかを確認することが大切です。
特に、社外とやりとりする場合や機密情報を扱う場合、プライバシー保護とデータの安全性が求められます。不正アクセスや情報漏えいを防ぐために、タスク管理ツールの提供元のセキュリティポリシーを確認し、自社のセキュリティ基準（データの暗号化やバックアップ体制、アクセス制限など）を満たしているか確認するようにしましょう。
費用対効果が期待できるか
タスク管理ツールを選ぶ際は、費用対効果の検証が必要です。利用料金が高いものが自社に最適なツールとは限りません。発生する費用は、一時的なコスト（初期費用・ライセンス購入費用など）なのか、継続的な料金（月額利用料・オプション料金など）なのかをきちんと把握することが大切です。ツールの料金や搭載機能を比較・検討し、コストに見合う価値があるかを判断しましょう。
サポート体制が充実しているか
タスク管理ツールの活用には充実したサポート体制が求められるため、以下のような点を確認しましょう。
・サポートの対応時間（24時間365日対応など）
・問い合わせの種類（電話、メール、チャットなど）
・FAQの充実度（よくある質問の回答例など）
サポート体制が充実していると、問題が起こった場合でもスムーズに解決できます。また、タスク管理ツールは継続利用を前提として導入するため、活発なユーザーコミュニティがあるか、ツールの定期的なアップデートがあるかなどの点も選ぶポイントになります。
【無料資料】プロジェクト生産性を高めて利益を最大化するには？
タスク管理に関するよくある質問
最後に、タスク管理についてよくある質問を紹介します。
タスク管理が上手い人はどんな工夫をしている？
タスク管理が上手い人は、視覚的にタスクを把握しやすいようにツールを活用しています。複数のタスクを並行して進める場合や、重要なタスクを細分化して進める場合、それぞれのタスクに優先順位を明確につけていることも特徴です。
また、過去のデータや自分の稼働実績をもとに、タスクにかかる時間や工数をきちんと把握し、より現実的なスケジュールを立てられるように工夫しています。
タスク管理を上手く行うためのコツは？
タスク管理を上手く行うコツはいくつかありますが、ツールを使いこなすことが上達への近道です。積極的にツールを活用し、チームメンバーの進捗状況まで意識することでタスク管理のスキルをより向上させられます。まずは自分がやるべき作業を可視化し、不測の事態が発生することも想定したうえで、余裕のあるスケジュールを立てるようにしましょう。
タスク管理ツールの口コミは参考になる？
口コミや評判は、自社のニーズと合うかどうかを判断する際に参考になります。例えば、実際に利用しているユーザーの具体的な課題や解決方法、アップデートで変更された点などの情報もあり、タスク管理ツールを選ぶ際に役立つでしょう。
ただし、口コミは個人の主観にもとづくため、評価の点数だけでなく根拠となるコメントを確認し、多くの意見を比較・検討したうえで判断することが大切です。
まとめ
今回は、タスク管理が上手い人の特徴やプロジェクト管理との違い、タスク管理ツールを導入するメリット・デメリット、タスク管理ツールの選び方などを紹介しました。
タスク管理ツールにはさまざまな種類がありますが、半自動で工数などを入力できる「クラウドログ」がおすすめです。タスク管理・工数管理・原価管理・損益管理・勤怠管理などに役立つ機能を搭載しており、外部システムと連携できるため、自社データを一元管理することができます。クラウドログの詳細については、以下のページをご参照ください。
※参考：CrowdLog ｜工数管理
