フローチャートの書き方は?ルールやわかりやすく作成するコツを紹介

フローチャートを作成すると、業務プロセスの可視化や、プロジェクト内におけるタスクの共有をスムーズに進めることができます。しかし、いざ作成を試みると、「どの記号を使えばいいのか分からない」「作成したチャートが見づらい」と悩むケースも少なくありません。

本記事では、フローチャートの仕組みや構造、記号の種類、フローチャートの書き方や作成する手順について解説します。わかりやすいフローチャートを作るコツや、フローチャートの作成事例なども紹介しますのでぜひ参考にしてください。

目次

フローチャートとは

業務におけるフローチャートとは、各作業のプロセスやシステムの処理手順を、図形・矢印などの記号を用いて表現した図のことです。複雑な業務の流れを時系列で一目で把握できるため、チーム内の情報共有やマニュアルの整備、システムの設計など、幅広いビジネスシーンで活用されています。フローチャートを作成すれば、業務プロセスの全体像を俯瞰的に見ることができるため、効率面でのボトルネックや無駄な手順を発見する際にも役立ちます。

[関連記事:フローチャートとは?種類や記号、書き方を紹介]

フローチャートの構成要素

フローチャートを作る場合、まずは全体を構成する要素を把握することが大切です。以下3つの要素を組み合わせることで、複雑な業務プロセスであってもシンプルに表現できます。

処理や条件を視覚化する「記号」

記号は、業務プロセスにおける具体的なタスクや、意思決定の分岐点を表現するための要素です。長方形やひし形など、それぞれの形状に固有の意味が定義されており、これらを適切に使い分けることで、文字だけに頼らない直感的な理解を促すことができます。

記号を配置する際は、各自が勝手な解釈で異なる図形を使わないように、社内で使う記号の種類を共有し、記号ごとの意味や使い方を統一することが大切です。

流れの方向を示す「矢印」

矢印は、それぞれの記号をつなぐための要素です。業務の手順や処理プロセスをどのように進めるかという方向性を示す役割があります。矢印の向きを統一すれば、プロセスの始まりから終わりまでの順番や流れをシンプルに表現することができます。

矢印が交差したり、逆方向に何度も戻ったりすると見づらいため、業務の流れを一方向(上から下、あるいは左から右)に配置し、図の視認性を高めることがポイントです。

具体的な情報を補う「テキスト」

テキストは、作業の具体的な内容や注意点、条件分岐の基準などを追記するための要素です。記号の内部や、矢印に沿った位置にテキストを配置し、記号と矢印だけでは伝わらない詳細な情報を短い言葉で補足する役割があります。

フローチャートにテキストを記載する際は、誰が・何を・どうするのかを明記しつつ、図からはみ出さないよう15文字前後にまとめる工夫が必要です。

フローチャートの主な記号

フローチャートで用いられる記号には、国際標準(ISO)や日本産業規格(JIS)で定められた明確なルールが存在します。ここでは、ビジネスシーンやシステム構築でよく使われる、主要な記号一覧とそれぞれの意味を解説します。

開始と終了を表す「端子」

端子は、プロセスの出発点と到達点を示す記号です。一般的に、角が丸い長方形や楕円の形状をしています。フローチャートの最初と最後に必ず配置され、どこから業務が始まり、どこで完了するのかを明確にする役割を持ちます。

フローチャートを作成する際は、開始の端子は必ず1つに絞り、終了の端子も過度に増やさないように全体を設計することが大切です。

通常の作業や動作を示す「処理」

処理は、具体的な作業や行動を示す記号です。記号の形状には標準的な長方形が用いられ、プロセス中のタスク(見積書を作成する、データを入力するなど)の多くが処理記号で表現されます。

処理記号(長方形)の内部にテキストを追記する場合、「〇〇を〇〇する」という表現に統一すると、メンバーが次にすべきアクションを理解しやすくなります。

条件によって分岐させる「判断」

判断は、特定の条件によってその後の進路が分かれる「分岐点」を示す記号です。ひし形から複数の矢印が伸びる形で表され、それぞれの矢印へ分岐の条件(選択肢)を記載します。

ひし形の中にテキストを追記する場合、「承認されたか?」や「金額は1万円以上か?」といった、Yes/Noで答えられるシンプルな質問にするとフローがわかりやすくなります。

データのやり取りを表す「入出力」

入出力は、外部データの受け入れや、外部へのデータ出力を表す記号です。平行四辺形の形状をしており、顧客から注文書を受領するステップや、システムからCSVファイルをエクスポートするステップなどで多用されます。

フローチャートを作成する際は、社内業務である「処理」と、外部と情報をやり取りする「入出力」を明確に区別し、長方形・平行四辺形をそれぞれ適用することが大切です。

成果物や記録を明示する「書類」

書類は、業務で使う紙の帳票や、電子化されたドキュメントを表す記号です。下部が波線になった四角形の形状をしており、契約書や請求書、報告書など、業務の節目で発生する重要な成果物を可視化する際に役立ちます。

書類記号を配置する際は、その書類が最終的にどこに保管されるのか、または誰に提出されるのかまでを明確に繋いでおくと、業務の抜け漏れを防げます。

別の場所へ処理を繋ぐ「結合子」

結合子は、複雑になった矢印を整理したり、ページをまたいでフローを継続させたりするときに使用する、小さな円形の記号です。図の中に矢印が複雑に飛び交うのを防ぎ、見た目をすっきりとさせる効果があります。

結合子を使用する場合は、丸の中に「A」や「1」などの識別符号を記入し、どことどこが繋がっているのかを誰が見てもわかるように工夫します。

同じ処理を繰り返す「ループ」

ループは、一定の条件を満たすまで、同じ一連の作業を繰り返し実行することを示す記号です。プログラムを設計するときの反復処理でよく使われますが、ビジネスプロセスにおける「不備がなくなるまで確認を繰り返す」といったシーンでも活用されています。

フローチャートにループを配置する場合、ループの開始と終了を示す一対の記号で挟み、どのような条件で繰り返しから抜け出せるのかを明記します。

フローチャートの3つの構造

フローチャートには、3つの基本構造があります。複雑な業務プロセスであっても、それぞれの構造を上手く組み合わせれば見やすいフローチャートを作ることができます。

順番通りに処理を進める「順次構造」

順次構造は、上から下(あるいは左から右)に、記述された順番通りにステップを一つずつ実行していく構造です。分岐や繰り返しがなく、一本道で進む処理の集まりを指します。

順次構造が長すぎる場合、業務を過度に細分化している可能性があるため、適度に1つの処理にまとめる必要があります。

条件によって分岐する「選択構造」

選択構造は、ひし形(判断)の記号を使い、条件の成否によって進むべきルートを切り替える構造です。これにより、例外処理や条件に応じた異なる業務プロセスを、1つの図の中に網羅することができます。

選択構造を作成する場合、すべての条件分岐において「どこにも進めなくなるルート」が発生しないよう、記号同士の繋がり方を確認することが大切です。

処理を繰り返し実行する「反復構造」

反復構造は、特定の条件が満たされるまで、同じ一連の処理を何度も実行する構造です。業務の差し戻し対応や、複数データの確認作業などを表現する際に用いられます。

反復構造を作成する場合、繰り返しの処理が永遠に続いてしまう状態に陥らないよう、必ず終了条件を満たすような設計にすることが重要です。

フローチャートの書き方と流れ

ここでは、フローチャートを作る手順について解説します。

ステップ1:作成の目的とゴールを定義する

フローチャートを作る前に、なぜこの図を作るのかという目的と、どこまでを図示するのかという範囲を明確にします。目的が曖昧なまま描き始めると、必要以上に細かい情報まで盛り込んでしまい、図が煩雑になるためです。

例えば、「新入社員の研修用マニュアル」なのか、「業務効率化のための課題抽出」なのかなど、用途を最初に定義して関係者と合意を形成しておくことが重要です。

ステップ2:対象となる業務プロセスを洗い出す

フローチャートを作る目的が決まったら、具体的なタスクや行動を箇条書きなどで漏れなくリストアップします。この段階ではまだ記号を意識する必要はなく、現場で行われている実際の作業をすべて書き出すことが大切です。

タスクを洗い出す際は、自分だけの判断で行わず、実際にその業務を担当しているメンバーにヒアリングを行い、現場の動きと乖離がないように情報を集めてください。

ステップ3:時系列の整理と分岐条件の特定

洗い出したタスクを、実際に発生する順番通りに並び替えます。同時に、「どのような場合に作業が分岐するのか」や「どのような書類が発生するのか」といった、プロセス間の関係性や条件を細かく整理しましょう。

通常パターンの流れだけでなく、エラーが発生した場合や、上長からの差し戻しが発生した場合などの「例外的なルート」もこの段階で特定しておきます。

ステップ4:適切な記号を配置して下書きする

時系列の整理が完了したら、JISなどの記号一覧を基に、フローチャートの形に配置していきます。現在はパワーポイントやエクセルなどのオフィスツール、あるいは専用の作図ツールを使うことで、手軽に図形を配置して線で繋ぐことが可能です。

記号を配置する際は、いきなりツールで清書しようとせず、まずはホワイトボードや裏紙などに手書きで大まかな配置を下書きすると、全体のバランスを調整しやすくなります。

ステップ5:関係者によるレビューと修正

下書きを基にツールで清書した後は、必ず業務の関係者や上長、現場の担当者に図を見てもらい、内容に誤りがないかのフィードバックをもらいます。自分一人では気づけなかった手順の抜け漏れや、実際の業務ルールとの矛盾が見つかることがあるためです。

フローチャートが完成したら、「この図の通りに作業を進められるか」という視点で現場のメンバーに読んでもらい、わかりにくい表現があればその都度修正を重ねてください。

フローチャートの作成例

ここでは、用途別のフローチャートの作成例をいくつか紹介します。

作成例1:社内の経費精算における申請フロー

経費精算フローとは、社員が領収書を添付して申請し、経理部門や上長が承認して払い戻しが行われるまでの一連のプロセスのことです。フローチャートに落とし込めば、申請、一次承認、経理チェック、差し戻し、最終承認、振り込みといった各ステップを、判断記号や書類記号を用いてシンプルに表現できます。

経費精算のように複数の部署が関わるフローでは、部署ごとにレーンを分ける「スイムレーン」を活用すると、誰がどのタスクを担当しているのかがより明確になります。

作成例2:システム開発におけるログイン認証アルゴリズム

システム開発の現場では、プログラムが実行する処理のロジックを設計するためにフローチャートが使われます。例えば、ユーザーがIDとパスワードを入力し、データベースの情報と照合した場合、一致すればマイページへ遷移する、不一致であればエラーメッセージを表示して入力画面に戻る、という一連の流れを正確に表現できます。

システム開発などで用いるフローチャートでは、条件分岐の基準をきちんと定義することが大切です。ロジックに破綻がないように設計すれば、開発効率の向上が期待できます。

作成例3:クラウドログを用いたプロジェクト工数管理フロー

フローチャートを作成すると、プロジェクトの工数管理を効率化できます。例えば、メンバーが作業時間を入力し、プロジェクトマネージャーが内容を確認・承認するというプロセスの場合、承認されたデータが自動でプロジェクトごとの労務費(工数原価)として集計されるまでの一連の流れをフローチャートで表現できます。

プロジェクト管理でフローチャートを活用する場合、工数入力が形骸化しないよう、どのタイミングで入力し、いつまでに承認を完了させるかという運用の流れを共有しておきましょう。

わかりやすいフローチャートを作るコツ

ただ記号を並べるだけでは、フローチャートがかえって見づらくなることがあります。ここでは、誰が見てもわかりやすい図を作るための実務的なコツを紹介します。

コツ1:視線の流れを上から下、左から右に統一する

人間の視線は、基本的に「上から下」や「左から右」へと動く習性があります。そのため、フローチャートの全体の流れを視線の動きに逆らわないように配置することがコツです。

矢印が上方向に向きを変えたり、右から左へ逆流したりするような配置は、フローチャートを見る人を混乱させるため避けてください。差し戻しの処理などでどうしても逆方向へ線を引く場合は、外側のルートを通すなどして、メインの流れを邪魔しない工夫が必要です。

コツ2:使用する記号の種類を絞り、配置のルールを決める

フローチャートを作成する際に、1つの図の中に多くの種類の記号を詰め込むと情報過多になり、重要なポイントが霞んでしまいます。基本的には、端子、処理、判断の3つを中心に構成し、必要に応じて書類や入出力を追加するようにしましょう。

エクセルなどでフローチャート作成する際は、記号のサイズや色、線の太さを統一し、条件分岐の「Yes」は常に右へ、「No」は下へ伸ばす、といった配置の社内ルールを固定しておくと全体の統一感を維持できます。

コツ3:記号内のテキストは短く簡潔にまとめる

1つの記号には、原則として「1つの具体的なアクション」だけを記載するようにします。記号の中に長文のテキストを詰め込むと、図ならではの利便性が失われ、文字中心のマニュアルと変わらなくなってしまうためです。

詳細な説明や、例外的な補足事項を書きたい場合は、記号内に無理に収めるのではなく、図の横に注記(コメント)の枠を設けて記述するとよいでしょう。

クラウドログならさらに効率化可能!

フローチャートを作成して業務プロセスを可視化することは、組織の生産性を高めるための第一歩です。しかし、どれだけ綺麗に工数管理や予実管理の運用フローを設計しても、現場のメンバーが日々のタスクや作業時間を正確に入力しなければ、その後の原価計算や経営判断のデータは形骸化してしまいます。

プロジェクト管理ツールの「クラウドログ」を活用すれば、フローチャートで定めた運用フローをスムーズに現場に定着させることが可能です。GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携でき、予定をドラッグ&ドロップするだけで工数入力が完了するため、現場の入力負荷を軽減することができます。

また、入力した工数データに基づき、メンバーごとの単価設定や労務費(工数原価)を自動計算することも可能です。プロジェクトごとの予算消化率や損益をリアルタイムで可視化することで、赤字案件の兆候を早期に発見できます。

さらに、主要な勤怠管理ツールとも連携できるため、実労働時間との乖離チェックや、ソフトウェア制作費の資産計上に必要なエビデンスデータの抽出などにも有効です。クラウドログではツールに関する詳しい資料や、無料のトライアル期間を用意しているため、まずはお試しで利用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

フローチャートは、複雑な業務プロセスやシステムの処理手順を、誰にでもわかりやすい形に可視化するためのツールです。記号一覧の意味や論理構造を正しく理解し、ステップに沿って丁寧に進めていくことで、初心者でもフローチャートを作成することができます。

しかし、可視化した業務フロー(特に、工数管理やプロジェクトの予実管理)を実際に現場で機能させるためには、正確なデータの収集が欠かせません。フローチャートの作成とあわせて、より実用的な運用につなげるために、クラウドログのような工数管理・プロジェクト管理ツールの導入を検討しましょう。

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クラウドログ編集部
監修:クラウドログ編集部

クラウドログ編集部です。工数管理・プロジェクト管理を軸に、企業の生産性向上を支援する最新情報をお届けします。属人化の解消やコスト可視化など、働き方改革に不可欠なテーマを、専門的な視点から分かりやすく解説します。

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