工数とは?計算方法、業界ごとの例、業務を円滑にするツールをご紹介!

工数は見積もりやプロジェクト運営に欠かせない重要な概念です。また、工数管理は事業成長を支える管理項目のひとつであり、正しく理解し活用することが求められます。

かつては製造現場を中心に効率を管理するための「統制のツール」として扱われてきましたが、現在では「ヒトの時間」という無形資産を最適化し、企業価値を高めるための指標として活用されるようになっています。

この考え方は国内にとどまらず、グローバルなビジネス環境でも共通しており、「man-hour(マンアワー)」といった英語表現で扱われることもあります。

本記事では、工数の基礎知識から計算方法、業界ごとの活用例まで、実務にすぐ活かせるポイントをわかりやすく解説します。

目次

工数とは?

工数とは、ある作業を完了させるために必要となる時間のことを言います。プロジェクトの見積もりの根拠にする数字でもあり、人時、人日、人月という単位で表されます。

・人時(にんじ):1人が1時間で完了できる作業量
・人日(にんにち):1人が1日で完了できる作業量
・人月(にんげつ):1人が1か月で完了できる作業量

工数は以下の計算式で計算します。

工数=作業時間×作業人数
人日を出す場合、工数÷8(時間)
人月を出す場合、工数÷8(時間)÷20(日) で計算することができます。

工数の例

工数の概念をより具体的に理解するために、私たちの身近な業務やプロジェクトに当てはめた3つの例を見てみましょう。

  • 資料作成の例(人時): 例えば、1人の担当者が集中して取り組み、3時間で完了する報告書作成の作業量は「3人時」となります。これは3人がかりで1時間で終わらせる場合も同じ3人時ですが、同時並行ができる作業かどうかの判断が別途必要になります。
  • システム開発の例(人日): 3人のエンジニアチームが10日間かけて特定の機能を開発する場合、工数は「30人日」と計算されます。1日8時間労働と仮定すると、総作業時間は240時間に相当し、この時間をベースに人件費が算出されます。
  • 大規模プロジェクトの例(人月): 10人のプロジェクトチームが半年(6ヶ月)かけて新システムを構築する場合、その総工数は「60人月」となります。

このように、「誰が何人、どれくらいの時間その作業に従事するか」を密度として数値化したものが工数です。

工数はどのような用途で使われるのか

計算した工数はどのように扱われるのか、なぜ工数が重要なのかを確認していきましょう。

工数の用途

一般的に、工数は下記のような用途に利用されます。

用途1:見積もり

一番の用途は見積もりでしょう。プロジェクトに対する作業時間と作業人数を計算し、費用算出の根拠にします。

用途2:プロジェクトのスケジュール作成、プロジェクト管理

工数を基に、要望されるスケジュールと稼働する人員を当てはめ、いつどのような工程で進めるのか、具体的なスケジュールの作成に利用します。ここで作成したスケジュールをベースに、更に細分化しタスクに落とし込み、プロジェクト管理を行います。

用途3:予実管理

プロジェクトが開始されると、見積工数に対し、実際にかかった作業時間実績を記録することで予実管理を行うことができます。予実管理は生産性の確認や予算の管理に繋がる大事な管理項目のひとつです。

用途4:業務改善

用途3の予実管理ができていると、前述の通り生産性が明らかになります。見積工数との差分が大きい場合、なぜ発生したのかという原因究明と、改善のための対策を行うことで見積精度を上げたり、効率的に作業を行うよう業務改善を実施したりすることで工数削減が期待できます。

用途5:要員計画

工数を算出しスケジュールと照らし合わせると、いつどのタイミングでどのような人員が必要になるかが分かるため要員計画を立てやすくなります。

用途6:事業計画

用途5の要員計画にも関連しますが、自社の進める事業計画(方向性)とプロジェクトの内容から、自社に足りていない技術や強み・弱みを見定め事業計画に反映していくことができます。

工数の重要性

前述の通り、工数は様々な用途で活用されることからもその重要度が伺えるでしょう。工数を算出し管理することを「工数管理」と言い、企業の事業を成長させる上でも、プロジェクト管理をする上でも重要な管理項目のひとつです。見積に始まり、プロジェクトのスケジュール管理、進行、予算管理などプロジェクト推進の基点となる重要な数字です。
工数管理について更に詳しく知りたい方は是非下記記事もご覧ください。

関連記事:工数管理を徹底解説!目的や重要性、簡単な始め方から分析方法まで

工数管理のメリット

工数管理を行うことで、さまざまなメリットを享受できます。当セクションでは、工数管理における3つのメリットをご紹介します。

メリット1:進捗管理の正確化

工数管理の実施によって、進捗管理の精度向上が可能です。プロジェクトの予定工数を管理すれば、各タスクの作業負荷を見積もることができ、人員配置に役立ちます。

また、実績工数を管理し、予定工数と比較することで、プロジェクトの進捗管理を正確に行えるメリットもあります。

メリット2:スケジュール調整の精度向上

工数管理データは、スケジュール調整の精度向上にも役立ちます。予定・実績工数を管理することで、プロジェクトの遅延を迅速に検知できます。
遅延が発生している場合、担当者へ遅延理由を確認し、必要であれば人員の再配置や追加投入などの対処が可能です。

メリット3:作業時間の見積もり精度向上

工数管理を行い、実績工数のデータを蓄積することで、社員がどの業務にどの程度の時間をかけているかを把握できるようになります。

プロジェクト計画のスケジュール作成時や、各タスクに必要な時間の見積もり時に、過去の実績工数のデータを参考にできるため、予定工数の見積もり精度が向上します。

工数の計算方法

工数の計算は「人時・人日・人月」の単位を用いて行います。それぞれの単位を用いた計算方法について、詳しく解説します。

「人時(にんじ)」での計算方法

人時(にんじ)とは、1人が作業完了に「1時間」を要する作業量です。

例えば、以下のような場合、6人時と表せます。

  • 1人で6時間
  • 2人で3時間

「人日(にんにち)」での計算方法

人日(にんにち)とは、1人が作業完了に「1日」を要する作業量です。

基本的に1日8時間として計算するため、6人日の場合、「6人 × 8時間 = 48時間」を要する作業量を指します。

例えば、以下のような場合、6人日と表せます。

  • 1人で6日
  • 2人で3日

「人月(にんげつ)」での計算方法

人月(にんげつ)とは、1人が作業完了に「1か月」を要する作業量です。

基本的に1か月20日として計算するため、6人月の場合、「6人 × 20日 = 120日」を要する作業量を指します。

例えば、以下のような場合、6人月と表せます。

  • 1人で6ヶ月
  • 2人で3か月

業界別の工数の単位

工数の単位は、業界の商習慣や業務の性質によって主に使用されるものが異なります。 自社に適した単位を選択し、現場の共通言語にすることが管理の第一歩です。

IT業界(人月・人日)

IT業界、特にシステム受託開発の現場では、見積もりのベースとして「人月」が広く使われます。 要件定義からリリースまで数ヶ月を要するプロジェクトが多いため、マクロな予算管理に適しているからです。 一方で、実際の製造(プログラミング)フェーズでは「人日」が多用されます。 「この機能の実装に何日かかるか」という具体的な進捗管理を行うためです。 このように、フェーズによって「人月」と「人日」を使い分け、予実の精度を高めるのが一般的です。

製造業(人時・人工)

製造現場では、1分1秒の効率が利益に直結するため、極めて細かい「人時」単位での管理が行われます。 工場の生産ラインにおいて、「1個の製品を作るのに何分かかるか」を積み上げ、最適な人員配置を算出します。 また、建設業に近い分野や職人の世界では、伝統的に1人の1日分の働きを指す「人工(にんく)」という言葉が使われることも多く、現在も費用算出の基準として根付いています。

建設業(人工・人日)

建設現場における工数管理の基本単位は「人工(にんく)」です。 1人の作業員が1日働くことを1人工と数え、これを基に外注費や労務費の見積もりが行われます。 大規模なビル建設から個人宅のリフォームまで、現場に「何人の職人を何日間手配する必要があるか」を算出する際に「人日」とあわせて活用されます。 現場の稼働状況を正確に把握し、遅延が発生した際の追加人員投入を迅速に判断するための重要な指標となります。

事務・バックオフィス(人時)

定型業務が多い事務部門やシェアードサービスセンターでは、「人時」による管理が非常に有効です。 「経費精算1件に何分」「請求書発行に何分」といった具合にタスクを細分化し、それぞれの所要時間を計測します。 これにより、ブラックボックス化しがちな事務作業の負荷を可視化でき、RPAの導入による自動化の優先順位付けや、マニュアル化による属人化の解消といった具体的な業務改善につなげることができます。

広告・クリエイティブ制作(人日・人時)

デザインやライティング、動画制作などのクリエイティブ制作では、作業内容の密度に応じて「人日」や「人時」が使い分けられます。 例えば、Webサイト全体のデザインといった大きな単位は「人日」で見積もり、細かなバナー修正や文言の調整などは「人時」で計算されます。 作業者のスキルによるスピード差が激しいため、実績データを蓄積して「平均的な工数」を算出することが、無理のない納期設定と利益確保の鍵となります。

工数を計算する際に気をつけるべき7つのポイント

プロジェクトリーダーになったとき、工数を扱う最初のタイミングは見積作業が殆どでしょう。その工数算出ですが、先に解説した単純な掛け算では見積もりとして不十分であったり、工数計算の際に抜け漏れが発生したりすることがあります。
ここでは工数を計算する際に気をつけるべきポイントを解説します。工数を計算する=見積もりでもあるため、ここでの解説は見積もりのポイントとも共通していると言えます。

ポイント1:スキル差を考慮する

チームには新人もいれば、中堅、熟練もいることでしょう。ひとつの作業を一律に同じ時間で終えられるわけではないため、ある程度スキル差も考慮した工数の計算が必要です。

ポイント2:手を動かす以外の時間も考慮する

打合せのための移動、顧客との定例、チームの定例、調査、環境構築、プロジェクトに関わる雑務など、積み重なると大きくなるため、大きいプロジェクト程工数に入れておかなければ利益を減らしてしまう結果になります。

ポイント3:8時間ちょうどで計算しない

作業時間は通常1日8時間ですが、8時間フルで稼働しているでしょうか?休憩時間もあれば、タスクのスイッチングコストもあり、工数に現れない時間が存在します。そのため、余裕をもった計算にしておくことがポイントです。

ポイント4:過去のプロジェクトの工数を参考にする

チームや会社の得手不得手、過去のプロジェクトで工数を割いた開発内容などを参考にしておくことで工数計算の精度を高めることができます。

ポイント5:バッファを入れておく

工数を「作業を終えるために必要な時間」だけで考えた時、増員などの際にかかる時間や、思わぬ退職、病欠などに対する工数の考慮が抜け、全体に影響してしまうことがあります。工数は適度なバッファを持って算出しておくと良いでしょう。

ポイント6:レビューを行う

一人で考えた工数では考慮の抜け漏れ、過不足が発生することがあります。多少時間をとって、工数算出の根拠などをレビューすることで計算した工数の信頼度を増すことができます。

ポイント7:定期的に見直す

最初に算出した工数を最後まで変えない場合、適切なプロジェクト運営にならないことがあります。定期的に見直し、特に、増加しそうな工数については早めにキャッチし、対策を取ります。

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工数管理の注意点

工数管理を実施する際は、時間をかけすぎないほか、工数管理が目的とならないようにすることが大切です。それぞれの注意点を解説します。

工数管理に時間をかけすぎない

工数管理では、プロジェクト管理者はもちろん、作業者も工数入力を行うため労力が必要です。エクセルなどのツールを用いて、工程名から作業時間までをすべて手入力で行うと、入力者の負担は非常に大きくなります。

工数入力や管理に時間を取られると、作業効率やモチベーションの低下を招くため、事前にフォーマットを作成したり、専用の工数管理ツールで行ったりする工夫が必要です。

工数の管理がゴールではない

工数管理は、あくまで業務効率化の手段にすぎません。管理した工数データを改善活動に活用して、初めて効果を発揮します。

例えば、プロジェクトの一部のタスクで遅延が発生した場合、プロジェクト完了時に遅延したタスクの予定工数と実績工数を比較して「なぜ遅延が発生したか」「どのような改善策があるか」などの話し合いが必要です。

【業界別】工数管理の事例

ここからは、業界別に工数管理の事例をご紹介します。各業界の工数管理事例について確認し、工数管理への理解やイメージを深めましょう。

IT業界における工数管理

IT業界では、システムの開発や導入プロジェクトで工数管理が活用されます。要件定義や設計工程はもちろん、プログラミング工程では画面・機能単位で必要工数を算出し、スケジュールを作成します。

また、プログラミングの習熟度によって、担当者の作業スピードが異なることを考慮し、予定工数を算出するなどの工夫も必要です。

請負型開発の場合、プロジェクト別やメンバー別の工数がそのまま受注金額や請求金額の基準となるケースが多いため、工数管理は必須と言えます。

製造業界における工数管理

製造業界では、その日の生産予定から予定工数を算出し、各ラインに最適な人数を配置する必要があります。

特に製造業界では、1分1秒の遅延が大きな損失につながるケースがあります。機械トラブルなどで遅延が発生した際に、製造ラインの変更や追加の人員投入・再配置など、迅速にフォローできる体制を整えておかなければなりません。  ]

事務・バックオフィス業界における工数管理

金融やシェアードサービスなどのバックオフィス部門では、工数管理によって「業務の見える化」を実現します。定型業務の所要時間を特定して無駄を省き、余剰リソースをDX推進などの高付加価値業務へシフトさせることで、プロフィットセンター化を促進します。

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「工数入力が面倒で現場が動かない」といった課題を解決するのが、工数管理・プロジェクト管理ツール「クラウドログ」です。 多くの企業が抱える「入力負担」と「分析の難しさ」を、直感的な操作と高度な自動化機能で解消します。

また、国内だけでなくグローバルなビジネスにも対応できるため、海外拠点を含めた工数管理にも柔軟に活用できます。

メリット1:カレンダー連携で入力を極限まで効率化

GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携し、登録された予定をドラッグ&ドロップするだけで工数実績として取り込めます。現場メンバーが「何をしていたか思い出す」時間を排除し、正確なデータをストレスなく蓄積できます。

メリット2:リアルタイムな多角的な分析

収集されたデータは即座にダッシュボードにグラフ化されます。プロジェクトごとの予算消化率やメンバーの負荷状況をリアルタイムで把握できるため、手遅れになる前の迅速な軌道修正が可能になります。

メリット3:人的資本ROIの最大化を支援

どの業務にどれだけのリソースを投じ、どのような成果を生んだのかを明確にします。経営層はデータに基づいた戦略的な意思決定が行えるようになり、組織全体の生産性向上と人的資本経営の実現を強力に後押しします。

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まとめ

ここでは工数の計算方法や計算の際のポイント、運用方法を解説してきました。プロジェクトを推進する上で工数管理は欠かせないもののひとつです。プロジェクトを成功に導くためにも適切に管理していくことが重要です。
クラウドログは工数管理ツールとして機能が充実しており、スケジュール作成や勤怠管理、見やすい分析機能も利用できるためプロジェクトの状況を多角的に確認し状況を把握することができる便利なツールです。
無料の試用期間もあるため、ご自身のプロジェクトに合うものかどうかを気軽に試して頂くことができますので是非ご利用ください。

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クラウドログ編集部
監修:クラウドログ編集部

クラウドログ編集部です。工数管理・プロジェクト管理を軸に、企業の生産性向上を支援する最新情報をお届けします。属人化の解消やコスト可視化など、働き方改革に不可欠なテーマを、専門的な視点から分かりやすく解説します。

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