ポモドーロテクニックで生産性の向上は可能か?実施方法やメリット、導入のポイントを解説

組織やチームの生産性向上は常に考えなければいけない重要な課題のひとつです。生産性向上は様々な切り口で行う方法がありますが、ポモドーロテクニックもそのひとつです。ポモドーロテクニックは時間管理術と言われますが、作業者の集中力を高める結果、生産性の向上につながる手法です。ただし、チームや組織レベルで導入を指示する場合は注意が必要です。ここでは、ポモドーロテクニックとは何か、進め方やメリット、注意点に加え、チームや組織に導入したい方に向けた注意点についても解説します。

ポモドーロテクニックとは

ポモドーロテクニックとは、1990年代はじめ、イタリアの起業家で作家のフランチェスコ・シリロによって発案されたもので、25分の作業時間と5分の休憩を繰り返し、タスクを消化していく時間管理術です。
「ポモドーロ」は、イタリア語で「トマト」を意味し、発案者であるシリロが学生時代に愛用していたキッチンタイマーに由来しています。
25分の作業時間と5分の休憩を1ポモドーロとし、4ポモドーロごとに15分〜30分の休憩を取ります。

ポモドーロテクニックの進め方

ポモドーロテクニックは下記のように実施します。

  1. タスクをリストアップし、1ポモドーロに収まるレベルまでタスクの細分化を行い、優先順位を付ける
  2. 25分のタイマーをセット
  3. 優先順位の高いものから、タイマーが鳴るまで作業を行う
  4. 5分の休憩を取る
  5. 4ポモドーロ繰り返したら、15〜30分の休憩を取る

ポモドーロテクニックの25分を計る便利ツール

発案者のようにキッチンタイマーを利用するのも良いですが、会社ではアラーム音などを気にすることもあるでしょう。下記などがおすすめです。

・ポモドーロテクニック向けタイマー

四角い筐体のタイマーで、転がすだけでタイマーをスタートさせることができるため時間をセットしたりアプリを開いたりなどの手間が不要です。価格が高いことがデメリットです。

・スマートウォッチ

身につけているため、すぐに時間をセットでき、また、バイブで知らせるなどで音も気にする必要がありません。

・ポモドーロテクニック専用アプリ

スマートフォンのアプリが利用できます。いくつかあるため、合ったものを探してみると良いでしょう。

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ポモドーロテクニックを実施する5つのメリット

ここでは、ポモドーロテクニックの代表的な5つのメリットを解説します。

メリット1:集中力が高まる

リストアップしたタスクの中から行うべきタスクを選び、25分という短い時間のなかで、そのタスクだけ行うことを明確に決めてスタートさせるため、必然的に集中しやすい環境になります。

メリット2:やる気を高め、仕事に対するエンジンをかけることができる

とにかく25分頑張れば良いため、一旦スタートさせてしまえば自ずと作業を進める強制力が働きます。朝一の出社後や昼食後など、エンジンをかけなければいけないタイミングでポモドーロテクニックを行うことは有効な活用方法と言えます。

メリット3:見積精度が高まる

1ポモドーロに収まるサイズでタスクの細分化を行うクセがつくことで、見積に慣れていくため見積精度が高まります。

メリット4:生産性が上がる

ここまでのメリットが得られる結果、生産性が向上します。

メリット5:達成感を得られる

ポモドーロテクニックは、決めたタスクを消化し、前のめりに作業を行う感覚があります。ただ仕事をだらだらと行うこととは違い、仕事の達成感が感じられ、メリハリが出ます。

ポモドーロテクニックを行う際の5つのポイント

効果的にポモドーロテクニックを行うには、ポイントがあります。以下に解説していきます。

ポイント1:決めた時間は守り、休憩は必ず取る

ポモドーロテクニックは、25分の作業時間+5分の休憩が基本ですが、自分にあった時間で進めても問題はありません。重要なことは、作業途中でも時間がきたら休憩を行い、決めた時間は守ることです。このルールを破るとメリハリがなくなり、十分な効果を得ることができません。

ポイント2:やらないことを明確にする

ポモドーロ中はタスクに集中します。携帯を見ない、メールを見ない、席を立たないなどのルールを決め、徹底します。ルールを守ることが緊張感を生み、作業効率を高めます。

ポイント3:休憩時間のルールを決める

ポモドーロテクニックは集中力を要します。そのため休憩時間は脳を休めるような休憩をすることが望ましいでしょう。休憩時間に何をすべきかルールを決めることも、ポモドーロテクニックの効果を最大限にするためのポイントです。
例えば、簡単なストレッチ、トイレ休憩、パソコンやスマートフォンを触らない、飲み物を飲みリラックスするなどです。

ポイント4:割り込みが入った場合は、ポモドーロを1からスタートする

電話や同僚からの割り込みが入った場合、再開するのではなく、1つのポモドーロをはじめから行います。理由として、割り込み作業の弊害として下記のように言われており、再び集中した状態に戻る頃には1ポモドーロが終わってしまうと考えられるためです。

割り込み後に思考の流れを取り戻すのには、20分程度かかると言われています。つまり、5分の質問も実際には25 分のコストになり、10分の簡単なミーティングも実際には30分の潜在的な作業コストになるのです。

引用:オライリー・ジャパン「プロジェクト・マネジャーが知るべき97のことプロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと

ポイント5:マルチタスクを行わない

メールなどはつい目に入ってしまい、タスクを乗り換えてしまいがちです。やらなければいけないことや、思い出したことはリストに書き出すだけにとどめ、すぐに現在の作業に戻ります。
メールチェックなどは専用のポモドーロを設け、現在の作業に集中し、スイッチングコストを発生させないように注意します。

チームや組織にポモドーロテクニックを導入する際の注意点

ポモドーロテクニックは、仕事に役立つライフハック的要素が強く、個人で実施しているケースが殆どですが、アジャイル開発との相性が良いためチームで実施している例もあります。
チームで実施しているケースでは、KPTなどのProblemに対するTryから、現場レベルの発案で実施に至っているケースや、自発的に実施してチームに広がっているケースが多いです。そのため上司から部下へポモドーロテクニックの実施を指示する場合、やらされ感が出てしまい恩恵をうけにくい可能性があるため、導入には注意が必要です。

いきなり導入するのではなく。例えば下記のように配慮しながら進めます。

  • 作業に課題を感じているメンバーや、チームメンバーから信頼されているリーダーに意図を伝え、上からではなく現場レベルからチームに反映させるなど、導入の工夫をする。
  • ポモドーロテクニックは集中力を要するため、丸1日行うと達成感はあるものの非常に疲れるものです。そのため1日中やるのではなく、モチベーションが下がる時間帯や2時間限定など、範囲を決めて実施し、効果を実感して貰うことから始めます。

まとめ

ここまで、ポモドーロテクニックの進め方や、チームへ導入する際の注意点などを解説してきました。生産性の向上には、現状の生産性を知ることや作業時間の記録が欠かせません。「クラウドログ」はタスクの作成や作業時間の設定、期限の設定・共有が行えるためポモドーロテクニックの活用と合わせて利用することでチームの時間管理を行え、生産性の把握と改善に役立つツールです。無料の試用期間もあるため、導入の検討に是非ご活用ください。

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