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工数管理の目的やメリットは?工数管理の注意点やツールの選び方を詳しく解説

企業のマネージャーやリーダーは企業の利益向上やプロジェクトの目標達成のために、納期の遅延なくプロジェクトを完遂させることが大切であり、そのためにチームが円滑に業務を進められるように管理する必要があります。そしてお客様に納品する成果物についてもより良い品質を担保する必要もあります。
そのためマネージャーやリーダーは責任が重く業務量も多いです。そこで管理業務の洗い出しとその業務にかかる工数を把握し、削減できそうな工数は削減するべきでしょう。管理工数を削減できれば生産性の向上や人件費などのコスト削減にも繋げることができます。

目次

工数管理とは

プロジェクトを成功に導くためには、工数管理が重要です。
そもそも工数とは何かについて解説します。

工数とは

工数とはプロジェクト管理の業務として発生するタスクに対して、そのタスクを完了させるまでにどれくらいの人数と時間がかかるのかの指標のことです。

工数は、以下の式で計算します。
工数 = 作業人数 × 作業時間

例えば、プロジェクトのスケジュールを管理するためにスケジュール表を作成したとします。このとき、プロジェクトのリーダー1人でスケジュールを作成し、8時間かかったのであれば管理工数は8時間(1人×8時間)となります。

また、IT企業で工数を表す単位として多く使用されているのが「人日」と「人月」というものです。
人日とは1人が1日作業を行いこなすことができる工数のことで、タスクをこなすのに1人で2日かかるのであればそのタスクの工数は2人日(1人×2日)、3人で4日かかるのであればそのタスクの工数は12人日(3人×4日)となります。

人月とは1人が1カ月作業を行いこなすことができる工数のことで、このとき1ヶ月は20日と考えることが多いです。タスクをこなすのに1人で40日かかるのであればそのタスクの工数は2人月(1人×40日/20日)、3人で40日かかるのであればそのタスクの工数は6人月(3人×40日/20日)となります。

関連記事:工数とは?計算方法とスケジュール反映の4つのポイントを解説

工数管理を怠ることで起きるリスク

工数管理を怠ってしまうと以下のようなリスクが発生する可能性が高くなります。

利益の減少

工数管理の主な目的として、プロジェクトで掲げる目標通りに利益を確保することです。ですが、工数管理を怠ると、想定していた工数と実際に作業にかかった工数で大幅な差異が生まれたり、問題の発見が遅れたりなどで納期遅延が発生する可能性が高まります。その結果、最終的に企業の利益を損なう恐れがあります。

人件費の増加

チームメンバーの作業工数を把握しない場合、作業の負荷分散が行えません。負荷の高いチームメンバーがいる一方で、手が空いてしまっているチームメンバーがいるなどの状況が発生しやすくなります。
その場合、生産性が下がり余計な人件費がかかってしまうでしょう。また、作業負荷が高いチームメンバーは仕事に対するモチベーションがなくなったり、欠勤が増えたりするなどのリスクもあり、さらに生産性が下がる原因となってしまいます。

関連記事:工数管理を徹底解説!目的や重要性、簡単な始め方から分析方法まで

成果物の品質低下

工数管理を行わない場合、作業にあてられる時間が適切に管理されません。計画された時間やリソースが足りなくなると、成果物の品質低下につながる恐れがあります。

チームメンバーのモチベーション低下

透明性に欠ける工数管理は、チームメンバーの不平不満を招きかねません。また、作業量の偏りが明確にならないことで、一部メンバーの負荷が重くなる状況を生み出してしまいます。その結果、チームメンバーのモチベーションが低下し、生産性が下がる恐れがあります。

工数管理のメリット

工数管理を行うことで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
ここでは、4つのメリットを紹介します。

スケジュールの管理・調整がしやすくなる

工数を管理できていればより精度の高い工数見積りとスケジュールを作成することができ、作業進捗の遅延を防ぐことができます。また、進捗が芳しくない場合も迅速に対処することができるようになります。

チームメンバーの負荷分散による生産性向上が期待できる

チームメンバーのそれぞれの作業工数を把握することで、どのチームメンバーに作業の負荷が集中しているのか、手が空く時間があるチームメンバーがいるのかが明確になります。そのため、うまく作業分担を行うことができチームとしての作業効率の向上が期待できます。

プロジェクトメンバーのモチベーション・自律性向上が期待できる

工数管理は、プロジェクトメンバーのモチベーション向上にもつながります。実績を数字で確認できるため、目標に向かって着実に進捗しているという実感を得やすい点がメリットです。
プロジェクトにおいて、管理者がすべてを把握して、一人ひとりに細かな指示を出すことは困難です。各自の作業が明確になると、メンバー自身が進捗を把握しやすくなり、それぞれがプロジェクトについて自主的に考える機会が生まれます。自身で作業の工数を管理し、目的達成のために行動する自律性向上も期待できます。

PDCAの実施により、計画や見積もり精度が向上する

PDC(Plan-Do-Check-Act)サイクルの実施によって、プロジェクトの計画や見積もり精度が向上することもメリットのひとつです。
まず、計画(Plan)では、過去のデータにもとづいて、正確な工数見積もりを行えます。これにより、現実的な目標を立て、リソースを適切に設定することが可能です。
次に、実際の作業(Do)において、計画通りに進んでいるかどうかをチェックします。進捗の遅れや、予定よりも工数がかかっている作業を早期に発見し、迅速に対処することが可能です。
さらに、チェック(Check)及び改善(Act)の段階では、過去の工数データをもとに改善策を検討し、次回のプロジェクトでの見積もり精度向上につなげられます。

工数管理のデメリット

工数管理は、プロジェクトを円滑に進めるうえで有用ですが、デメリットもあります。
ここでは、工数管理におけるデメリットを5つ紹介します。

高い精度の工程表が必要になる

データの精度が低いと、正確な工数管理ができません。
工数管理では、メンバーの作業時間や進捗状況などを工数表へ適切に反映する必要があります。不正確な工数データは、プロジェクトの見通しを不明瞭にし、予定外のスケジュール遅延や予算の超過を引き起こす恐れがあります。
したがって、高い精度の工程表を維持するためには、正確な工数入力と定期的な情報の更新が不可欠です。

工数管理が社内に定着するまでに時間がかかる

工数管理ツールを導入する場合、使い方を覚えたり、管理体制を整えたりするまでに時間がかかります。
また、初めて工数管理の方法を導入する際は、メンバーへの適切なサポートが必要です。工数管理に対して、やらされている感や不満を抱くメンバーもいるかもしれません。そのため、メンバーに工数管理の目的や意義を理解してもらうことが重要です。

工数の入力に時間と労力がかかる

作業時間を記録するためには、多くの時間と労力が必要です。手動で工数管理を行う場合は、テンプレートの作成にもコストがかかります。記録に時間がかかってしまい、本来の作業に集中できなくなっては本末転倒です。
工数管理ツールを導入することで、テンプレート作成や入力の手間を軽減できますが、導入後すぐに効果が出るとは限りません。コストに対する効果を実感しにくい場合もあります。

プロジェクトの制約が増える

工数管理によって、プロジェクトの制約が増える可能性があります。
工数管理では、プロジェクトのメンバー各自に、日々の作業時間や進捗に関する厳密な記録が求められます。これがプロジェクトの柔軟性を妨げたり、効率性に悪影響を与えることもあります。

データの誤りによってプロジェクトが混乱する

入力したデータが誤っていた場合、プロジェクトの進行や予算管理に悪影響を及ぼす恐れがあります。
誤ったデータにもとづく見積もりや計画は、プロジェクトの進行を阻害します。データの正確性を確保するためには、正しい工数の入力や、自社の業務に合った工数管理ツールの導入が必要です。

工数管理の基本手順

ここからは、工数管理の基本手順を4つのステップで解説します。

工数表を作成する

工数表は、実際に工数を入力するメンバーにとって使いやすいものであることが重要です。管理者がルールを設定し、メンバーが毎日入力しやすい表を作りましょう。
表を作成したら、次は管理工数を見積もります。

管理工数の見積り方法

管理工数を見積もるために必要な、4つの手順について解説します。

見積り手順1.作業項目を整理する

本記事2章の「プロジェクト管理における具体的作業」を参考に実際の作業を整理し一覧化することが必要です。ここで一覧化する作業は可能な限り細分化することが重要です。
例えば、進捗管理において定期的な会議があるのであれば、すべての会議を洗い出すことが重要です。すべての会議を洗い出しそれぞれの会議について工数を管理することにより、効果的でない不要な会議をなくすことや、会議内容の改善を図ることが可能となります。

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見積り手順2.整理した作業項目それぞれに対し工数を精緻化する

整理した作業について実際に要している時間を計算してみましょう。例えば、プロジェクト終了までの5カ月(20週)で毎週金曜日に1時間の進捗確認のための会議をチームメンバー5人で実施する場合、20週×1時間×5人=100時間となります。このようにそれぞれの作業に対し、何人で何時間かかるかを計算してみましょう。
また、取引先とのコミュニケーションや急な接待など想定外の作業が発生する場合やチームメンバーそれぞれのスキルによって工数が異なることなども考慮し工数を見積もることも重要です。
そして、各作業について見積りした工数の10~15%を管理工数として追加しましょう。整理した作業の中でも工数が比較的小さい作業は管理工数を10%上乗せ、工数が比較的大きい作業は管理工数を15%上乗せするのがよいでしょう。
また、管理工数が作業の見積り工数の10%未満であれば実績工数が見積り工数を超過してしまう恐れがあり、管理工数が作業の見積り工数の15%超であれば管理作業に工数がかかりすぎということが言えます。
たとえば、工数が20時間の作業であれば管理工数2時間(作業の見積り工数20時間×10%)を追加した22時間、工数が100時間の作業であれば管理工数15時間(作業の見積り工数100時間×15%)を追加した115時間と管理工数を含めた作業工数として予算の見積りやスケジュール作成を行うようにしましょう。

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見積り手順3.工数の把握と検討

整理した作業項目について工数を計算できたらどの管理業務に多くの工数を要しているかを把握しましょう。このとき、PMBOKの10の管理業務を大区分としてどの管理業務の工数が多いかを把握することが重要です。
そしてどの業務に無駄がありそうか、どれくらいの工数が削減できそうかを検討しましょう。

見積り手順4.見積り工数のレビュー、見直し

見積もった工数は、過去の実績工数から算出したり、予測の工数で算出したりするため、正確ではなく見積り工数と実際の工数は合わないのは当然です。そのため、整理した作業項目について一通り工数見積りが終わったら他のチームメンバーや上長とレビューをすることが重要です。また、定期的にチームの作業状況を確認し見積りした工数とずれがあれば見積り工数やスケジュールを見直すことも重要です。
見積り工数のレビューや見直しを何度も行うことにより、工数見積りの精度が徐々に高まっていくでしょう。

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実際にかかった工数を入力する

作成した工数表に、実際にかかった工数を入力します。業務した日ごと、作業ごとに、できるだけ正確に入力することがポイントです。誤ったデータを入力してしまうと、その後の集計に影響を及ぼしてしまい、正しい工数管理ができません。

工数の集計と改善を行う

それぞれのメンバーが入力した工数データを集計し、どの作業にどれだけ時間がかかったかを確認します。このとき、グラフやガントチャートなどを使い、視覚的に工数を把握できるようにするとスムーズです。プロジェクトの進捗の確認や、改善に役立てましょう。

工数管理の見直しを行う

工数データを集計するだけでは不完全です。必要のない作業に工数を使っていないか、リソースは十分だったかを必ず見直しましょう。
予算が決まっているプロジェクトでは、工数が増えることで、利益減少や赤字のプロジェクトの発生にもつながってしまいます。会社の利益向上のためにも、工数の見直しを行い、工数削減を目指しましょう。

工数を削減するための考え方

工数の削減を考えるにあたってECRSの4原則といった考え方があります。ECRSとは、「Eliminate(排除)」、「Combine(結合)」、「Rearrange(交換)」、「Simplify(簡素化)」の4単語の頭文字を組み合わせたものです。どう工数を削減するか検討する場合はこのECRSの4原則を基に検討することが工数削減への最短ルートです。ここではそのECRSの4原則について解説します。

Eliminate(排除)

工数の削減で最も効果的なのが業務そのものを排除することです。すなわち目的が不透明な業務や業務自体が不要であるものを見つけ出しその業務をなくすことができれば、その業務にかかっていた工数をまるごと削減できます。
そのため、現在行っている業務を洗い出し、それぞれの業務に対し目的の再確認をすることが重要です。

また、自社の業務をベンダーなどに外注することで業務の排除を行うこともできます。しかしベンダーなどへの業務の外注が自社のコスト削減に効果的でなければ業務の排除を行えたとしても本末転倒となってしまいます。
業務を外注するのが効果的であるかどうかは、業務を排除することによって削減できるコストと外注にかかるコストを比較し十分に検討することが重要です。

Combine(結合)

業務を組み合わせることによって工数を削減できる場合があります。たとえば、2名が同じような業務を行っていたとすればその業務を組み合わせることによって、1人分の業務のみで済むのであれば単純に工数を半分に削減できることになります。

また、業務を組み合わせるだけでなく、業務を分割することで工数を削減できる場合もあります。たとえば、複雑な業務で大きな工数を費やしている業務であった場合、その業務を2つの業務に分割し2名がかりで実施することによって複雑であった業務を効率的に行えるようになる可能性があります。
業務を実施する人数が増えても総合的な工数が削減できるのであれば、業務の分割は有効だと言えるため積極的に検討するべきです。
業務の詳細な手順を整理し、似たような業務を組み合わせるなどの検討や、業務を分割することで効率的になるかを検討することが重要です。

Rearrange(交換)

業務について担当者の変更、手順の変更、使用ツールの変更などを行うことにより工数削減に効果がある場合も多いです。たとえば、担当者の変更であれば、業務に最適な人員をアサインし直すことにより作業スピードの向上が期待できます。
手順の変更であれば、テストの工程を最後ではなく少し前の工程で実施することにより、早期に不具合を発見することができ、その後の作業が無駄になるのを防ぐことができる場合があります。
使用ツールの変更であれば、古いシステムを最新のシステムに入れ替えることにより、システムの新機能やシステムの性能向上により業務スピードや業務効率が上がります。
業務に関係のある、あらゆるヒトやモノなどの資源や作業手順を見直し、それらを入れ替えることを検討することも重要です。

Simplify(簡素化)

業務を簡単にすることも工数削減には非常に効果的です。たとえば、業務の一部を自動化する仕組みにして作業手順を削減したり、手動で実施している業務にITツールを導入したりなどで作業手順を簡単にできる場合があります。また、業務を簡単にすることは工数の削減だけでなく生産性の向上も期待できるため、簡単にできそうな業務は積極的に見つけ出し検討するべきです。

工数管理の注意点とポイント

ここまで、工数管理のメリットとデメリット、基本手順について解説しました。
では、実際に工数管理を行う際には、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。
ここでは、工数管理を行ううえでの注意点を7つ取り上げます。

工数管理の責任者をあらかじめ決めておく

責任者による工数入力の確認・承認が行われないと、メンバー各自による正確な工数入力が行われない可能性があります。責任者が定められていなければ、作業の漏れも生じやすくなるでしょう。
そのため、工数管理の前に、責任者を決めることが大切です。工数管理の責任者は、メンバーが決められたルールに従って工数を入力しているかを確認し、承認を行いましょう。

入力状況をこまめに確認する

不正確なデータは、プロジェクトの混乱を引き起こす原因となります。
プロジェクトの進行にあわせて工数データを定期的に更新し、必要に応じて見直すことが大切です。入力状況をこまめに確認することで、正確な工数データが維持され、プロジェクトを円滑に進められます。

工数入力に時間をかけすぎない

正確な工数入力は重要ですが、過度に時間や手間をかけすぎると、プロジェクトの進行が遅れる恐れがあります。
工数管理は、プロジェクトの効率性を高めるための手段であり、目的ではありません。短時間で適切な工数入力を行えるよう、メンバーが使いやすいツールを導入することが大切です。

現場と連携しながら工数管理を行う

管理者が勝手に工数を決めてしまうと、現場の不満やトラブルにつながってしまいます。
現場の実態を正確に把握するためにも、現場との連携は欠かせません。現場の視点から状況把握や工数管理を行うことで、より現実的な予測を立てられます。現場との密なコミュニケーションによって、工数管理の効果を向上させましょう。

予測値と実績値をあわせて管理する

計画と実際の進捗を比較しないと、失敗した要因や成功した要因はわかりません。
工数管理では、予測値と実績値をあわせて管理することが重要です。これにより、予測と実績にズレがあった場合にも、適切な対策を講じられます。プロジェクトの遅延やトラブルの要因の分析にも役立つでしょう。

工数管理で得たデータを社内で共有する

各メンバーが進捗状況を把握していないと、スケジュールの遅延につながる恐れがあります。
そのため、工数管理のデータはメンバー全員で共有することが大切です。プロジェクトの進捗を可視化して共有することで、進捗の遅れにもスムーズに対応できます。風通しの良いプロジェクトチームの形成や、目標達成に向けた協力体制の構築にもつながります。

コミュニケーションを円滑に行う意識を持つ

コミュニケーション不足も、工数管理が失敗に終わる原因のひとつです。プロジェクトメンバー間での円滑なコミュニケーションがなければ、進捗状況の共有や問題の解決が難しくなります。

複数のメンバーがいるプロジェクトでは、チャットツールの活用が有効です。プロジェクトごとにグループを作成してやり取りを管理できるため、従来のメールでのやり取りと比べて、コミュニケーションを円滑に行えるようになります。工数管理と情報共有をひとつに集約できるツールもあります。

工数管理で使える2つのツール

工数管理には「エクセルやスプレッドシートを使う方法」と「工数管理ツールを使う方法」があります。それぞれの特徴を紹介します。

①エクセルやスプレッドシートを使う

エクセルやスプレッドシートは、工数管理のコストを抑えたい企業や、ある程度の工数管理だけをしたい企業に向いているツールです。
エクセルやスプレッドシートには、以下の特徴があります。

導入コストが低い

すでにエクセルやスプレッドシートを導入している企業の場合、新たなツールを導入する必要がないため、コストを抑えて工数管理に取り組めます。

カスタマイズ性が高い

必要な項目の追加や、フォーマットを自由にカスタマイズできる点も特徴です。関数を利用することで、工数の過不足や稼働時間の平均などのデータを集計できます。マクロやVBAを活用すれば、工数集計の自動化も可能です。

使い慣れている

多くの人が使い方を把握しており、抵抗感なく利用できます。広く利用されているツールであるため、関数の活用方法などに関する情報収集のハードルが低いこともメリットです。

➁工数管理ツールを使う

複数のプロジェクトを同時に管理したい企業や、集計や分析に時間をかけたくない企業は、工数管理ツールの利用がおすすめです。
工数管理ツールには、以下の特徴があります。

プロジェクトの進行状況を可視化しやすい

工数管理ツールを導入すると、グラフやガントチャートなどによって、プロジェクトの進行状況を可視化できます。遅延が発生している工程が色付きで表示されるなど、視覚的に確認しやすいこともポイントです。

データの分析がしやすい

プロジェクトメンバーや作業項目、期間などで簡単にデータを絞り込めるため、データ分析をしやすい点も特徴です。また、データの分析には、正確な工数データの入力が欠かせません。工数管理ツールには、工数入力の承認機能や、勤怠時間と工数入力の不一致を通知する機能があるため、データの正確性を担保できます。

入力に時間がかからない

プルダウンで入力を選択したり、前日の入力をコピーしたりできるため、入力に時間がかかりません。勤怠データを工数データとして登録できるツールもあります。さまざまなプロジェクトに対応したテンプレートが用意されており、フォーマットの作成が短時間で完了します。

機能が多い

工数管理ツールには、Googleカレンダーやチャットツールなど他のシステムと連携して活用できる機能が用意されています。プロジェクトの規模や予算にあわせて機能を拡張することも可能です。

工数管理ツールの選び方

効率的に工数管理を行うには、工数管理ツールを導入することが最もおすすめです。工数管理ツールの導入は費用対効果が高いことが多く、生産性の向上及び総合的なコストと工数を大幅に削減することができます。

工数管理ツールは、自社にあった製品を導入することが重要です。しかし、どのような点に注目して工数管理ツールを選ぶべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

ここからは、工数管理ツールを選ぶ際のポイントを簡単に紹介します。

工数入力が簡単か

工数の入力はチームメンバー全員が毎日行うことが望ましいです。しかし工数の入力が複雑であったりUIがわかりづらいと工数入力を怠ったり適当に工数入力をするチームメンバーが出てくることがあります。そのため毎日行う工数入力はより簡単でわかりやすいツールを選定することをおすすめします。

ガントチャート機能があるか

ガントチャートはプロジェクトのスケジュール感をチームで把握するためにとても便利な機能です。ガントチャートがあることで、進捗状況を可視化でき進捗の遅れを確認しすぐに対処しやすくなります。そのため、ガントチャート機能を利用できる工数管理ツールを選定することをおすすめします。

関連記事:工程管理においてガントチャートを利用することの効果とメリット!

関連記事:プロジェクトのタスクやスケジュール管理に便利なガントチャートとは?メリットと活用のポイントを解説!

資産やコストの管理ができるか

プロジェクト推進にかかるソフトウェアや機器などの資産とその他プロジェクトに関わるコストの収支が管理できる工数管理ツールであれば、プロジェクトの利益率向上の手助けとなります。

プロジェクトがスムーズに遂行できていたとしてもコストの管理を怠ってしまっていた場合、支出が多く最終的に利益が確保できなくなる恐れがあります。そのため、プロジェクトに関わる資産やコストを管理できる工数管理ツールを選定し、プロジェクトに関わる収支を工数管理ツールに入力しておくことでコストの流れを常に確認できるようにしておき、利益が減少するリスクを減らすようにしておきましょう。

関連記事:【保存版】ITプロが解説する工数管理システム選び!6つの機能視点での分析!関連記事:【2023年版】工数管理ツール17選を比較表でチェック|選定と導入のポイントも解説

予算に見合っているか

工数管理ツールは、クラウド型とオンプレミス型で料金形態が異なります。導入や運用のコストが予算内に収まるかを確認しましょう。

使いやすいか

工数管理ツールの操作方法が複雑であると、プロジェクトのメンバーに使われないリスクがあります。入力方法が明確で、直感的に利用できるツールを選ぶことが重要です。

他ツールと連携できるか

他ツールと連携することで、入力の負担軽減や、効率的な工数管理につながります。勤怠管理と連携して自動で工数入力に反映すれば、入力の手間を軽減できます。

使用したいデバイスに対応しているか

PCだけではなく、スマートフォンやタブレットで工数管理ツールを利用したいケースもあるでしょう。各デバイスで問題なく操作できるかの確認も必要です。

すぐに導入できるか

導入に時間のかかる工数管理ツールもあります。すぐに導入したい場合は、クラウド型のツールが適しています。

セキュリティ対策が万全か

企業の情報漏えいが問題となるなか、安心して工数管理ツールを利用するためにはセキュリティ対策の確認も重要です。オンプレミス型のツールであれば、より強固なセキュリティ環境を構築できます。クラウド型でも、第三者による不正アクセス防止機能などのセキュリティ機能が備わったツールもあります。

導入後のサポート体制はあるか

工数管理ツールを利用するなかで、トラブルが発生する可能性があります。そのため、導入時だけではなく、導入後のサポート有無もツール選びのポイントです。サポート体制が整ったベンダーを選び、万が一のトラブル発生に備えましょう。

工数管理ツールの特徴や利点、コスト、主な工数管理ツールの比較は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。

関連記事:【2023年版】工数管理ツール17選を比較表でチェック|選定と導入のポイントも解説

プロジェクト管理と工数管理の関係

プロジェクト管理とは

プロジェクト管理とはプロジェクトを成功に導くためにプロジェクト全体を管理することです。プロジェクト管理に関するノウハウや手法をまとめたものに「PMBOK」というものがありますが、このPMBOKを参考にプロジェクト管理を行うことで、プロジェクトをスムーズに遂行することが可能となります。

プロジェクト管理における具体的作業

PMBOKではプロジェクト管理の項目を以下の10項目に分けています。

①統合管理

統合管理は以下で解説するPMBOKの他の9つの管理項目を統合し、プロジェクト全体を管理することです。プロジェクト全体に問題がないか、問題があれば調節する必要があります。

②コスト管理

コスト管理はプロジェクトにかかるコストを管理することです。プロジェクトの予算内でコストが収まるように調節し可能な限り最小限のコストにすることが重要です。コスト管理ができていなければプロジェクトで得られる利益が減少してしまいます。

③調達管理

調達管理はプロジェクトで必要となるサービスやプロダクトについて管理します。調達先の選定から調達物の納品までを調整する必要があります。調達管理ができていなければプロジェクトをスムーズに遂行することができなくなる恐れがあります。

④リスク管理

リスク管理はプロジェクトを遂行するにあたって起こり得るリスクについて管理します。起こり得るリスクについて回避もしくはリスクを最小限にするための対策を立てます。リスクによっては、プロジェクトの利益が確保できなくなってしまったり、プロジェクトが破綻してしまったりする可能性があるため、さまざまなケースを想定し考えられるリスクを洗い出します。

⑤スコープ管理

スコープ管理はプロジェクトを実施するうえでの対応範囲を管理します。プロジェクトを成功させるために必要なタスクや納品物を定めることが必要です。また、スコープ管理はPMBOKの管理項目の中でも最も重要な管理作業となります。スコープ管理ができていなければスケジュールも立てられなければ、品質の担保もできなく他の管理項目にも影響が出てしまいます。

⑥資源管理

資源管理はプロジェクトに必要なヒトやモノの資源を調達し管理します。プロジェクトを遂行するために必要な人材の確保やソフトウェア、機器などのモノを揃えることは必要不可欠であり、それらの資源はプロジェクトの成功を大きく左右します。資源管理ができていなければプロジェクトを開始することも難しいでしょう。

⑦コミュニケーション管理

コミュニケーション管理はステークホルダーとのコミュニケーションを管理します。ステークホルダーとのコミュニケーションが取れないとプロジェクトがスムーズに進行できない場合があります。

⑧スケジュール管理

スケジュール管理はプロジェクトを成功させるためにスケジュールや工数を管理します。スケジュール管理ができていなければ、遅延する可能性が高くなりプロジェクトが炎上し兼ねません。最悪の場合、賠償金の請求やプロジェクト破綻に繋がってしまう恐れもあります。

⑨品質管理

品質管理はプロジェクトの成果物の品質を担保するために管理します。求められた成果物を納品できなければプロジェクトの成功とは言えないため品質を管理することはとても重要です。

⑩ステークホルダー管理

ステークホルダー管理はステークホルダーとより良い関係性の構築や、ステークホルダーにとって必要な情報を収集し保管や伝達をします。プロジェクトによってはステークホルダーの理解がないとプロジェクト成功とは言えない場合があるためステークホルダーとの関係性は大切です。

関連記事:工数とは?計算方法とスケジュール反映の4つのポイントを解説
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まとめ

工数を管理することはプロジェクトを成功させ、より多くの利益を確保するためにとても重要な業務です。そして工数の管理には工数管理ツールを導入することが最もよい効果を出せる方法です。
工数管理ツールを導入する場合、工数、コスト、分析機能などのように、効率的な業務推進と業務改善をサポートしてくれるようなツールを選定することがおすすめです。
クラウドログでは、工数や資源、コスト管理に加え、多角的な分析機能、プロジェクト遂行に便利なガントチャートの機能も搭載しています。わかりやすいUIで工数の管理も簡単に行うことができるため是非クラウドログの導入を検討することをおすすめします。

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