株式会社インフキュリオン 経費・原価計上だけに留まらない工数管理へ!定量化された活動データを営業施策や品質管理へも活用していく

業種
IT・通信
企業規模
101-500名
課題
原価管理 / 生産性改善・働き方改革

キャッシュレス化で急成長を続けるFintech(フィンテック)分野にて、決済を起点にサービスやコンサル、DX推進を支援する株式会社インフキュリオン。キャッシュレスやFintechが一般的なキーワードになる前から、数多くのクライアントのサービスと自社ソリューションを立ち上げてきた実績を持ちます。国際ブランドカード発行プラットフォーム「Xard(エクサード)」では「2023年度グッドデザイン賞」を受賞するなど、金融業界の発展を支えている立役者です。

同社ではDXの面でも欠かせない「活動の定量化・定性化」のために工数管理を行っていましたが、既にあるリソースでの管理に限界を感じ、「クラウドログ」の導入を決定しました。求めるデータへの徹底した要件定義の結果として多軸での分析が可能となり、経費計上・原価計算に留まらない活用法を見出しつつあります。「クラウドログ」導入までの背景や経緯、収集したデータの活用について、お話を伺いました。

システム企画部 部長 菅原 之寛様

背景

  • Fintech分野でのDX支援をミッションとする企業として、工数の定量化・定性化が必須だった
  • 全体施策から品質管理にも使える高精度・高密度の工数データを求めていた
  • 従前の工数管理方法では、工程やプロダクト別といった複雑な集計が困難だった

決め手

  • グループ会社全社で使える、アカウントの階層管理ができること
  • 工数別やプロダクト別、期間別など多軸での工数登録・出力ができること
  • 上記を含む要件定義を元に数社のサービスを比較したが、ほぼ全てを満たせたのはクラウドログだけだった

効果

  • 工数管理に関するバックオフィスの作業コストがほぼゼロになった
  • 生成AI活用による変化といった新しい取り組みによる効率化の結果を、工数のデータから定量的に分析できるようになった
  • 「金融系ソフトウェア開発」の統計データと比較することで、自社の特異性を見出し、強みを生かせる施策が見えてきた

Fintech分野でのDX支援をミッションとして掲げる中で、まずは自社から工数管理で定量・定性化へ

御社の事業内容と菅原様の業務内容を教えてください。

菅原 之寛様(以下、敬称略):弊社は、金融・決済領域に特化したコンサルティングやSaaS系サービスを中心に提供している企業です。コンサルの他にモバイルハウスウォレットやQRコード決済、ブランドデビットなどを活用した決済サービス、金融機関での利用促進アプリなど、メインの商材ごとに別企業とはなりますが、グループ全体でFintech分野でのDX推進を支援しております。

私は、インフキュリオンのシステム本部システム企画部で部長を務めています。業務としては、インフキュリオングループ全体におけるITガバナンスの整備・推進担当です。

御社では以前から工数管理を進めておられたそうですが、工数管理の目的は何でしょうか。

菅原:弊社は、DX支援としてお客様の助けになるべき立場にあります。自社ソリューションやコンサルティングの提案を考える以前に、自社の活動についての定量計測ができていないのでは本末転倒です。まずは、我々自身の取り組みを計測した上で、改善目標についても定量的な目標値を定めて、社内のDXを進める必要がありました。

製造分野での工数管理というと、一般的なデータの使途は案件別にデータを取って原価計算に利用したり、社内の人的リソース配分の資料にしたりすることですよね。ただ、既に発生した作業を計上することはあくまでスタートラインです。最終的には、生産性を極限まで高めるだけでなく、品質を維持するために適切な工数を計上するチェック機能としても、活用していきたいと考えています。

要件定義で挙がった約50個の要件で、ほぼすべてを満たせたのはクラウドログだけだった

導入前はどういった手法で工数管理をされていたのでしょうか。

菅原:勤怠管理のサービスを導入していたので、そのサービス上で記録を取っていたのが最初の頃ですね。ただ、勤怠管理のシステムでは対象者が社内に限られていたので、業務を委託していた開発パートナーさんのデータを取る必要性を感じていました。

次のステップとして、シンプルにGoogleスプレッドシートへ入力をしてもらったのですが、これもあまりうまくいきませんでした。部門ごとに見るだけでもかなりの数になりますし、さらにプロジェクトごとに分析しようと思うと、データを取る作業だけでも非常に煩雑になってしまったのです。最終的に、SaaS型の工数管理にするしかないという結論に至りました。

工数管理のサービスを導入するにあたって、どのように選定を進められましたか。

菅原:まず、システム企画部で話し合って、求める機能をマスト要件とベター要件に分けて定義しました。全部で50個以上の項目がありましたね。

いくつか例を挙げますと、弊社で管理しているデータとの兼ね合いで25桁以上を扱えないと困ることや、記号系が扱えること。また、工程別、日次/週次/月次といった多軸での計測・管理ができること、グループ全体を1つのツールで管理したかったので、アカウントの体系をきちんとピラミッド型で管理できることなどです。

こうしてできた要件定義をもとに、社員からも声を集めながら複数のサービスを比較しました。結果として、弊社のマスト要件をクリアしたのはクラウドログだけでしたね。ベター要件を含めても、ほぼすべてを満たしているサービスでした。

2度のトライアルを経て、選定から半年後にはスムーズに全社完全移行

選定から導入までの期間と流れについて、教えてください。

菅原:選定を行っていたのが、2023年の1月頃だったかと思います。早々にトライアルをお願いして、3月には評価まで終わっていましたね。その後、経営会議にかけて最終決定を行い、7月から現場での部分トライアル、8月には全体での運用を開始しました。おおむね半年ほどでしょうか。

トライアルではどのような点を重視していましたか。

菅原:導入を前提としたトライアルとして取り組んでいたので、弊社用の使用方法マニュアルを作って、機能面のノウハウを集めることが中心でした。トライアル中にあがった具体的なQ&Aは、担当営業の方にすぐ確認していただきました。毎回即レスしてくださっていたので、常時スムーズに動いていて、トライアル後には問い合わせがいらなかったぐらいです。文字通り、「即時完全移行」という理想的な形で運用開始できました。

維持工数は「ほぼゼロ」 集めたデータは詳細に分類され、期待していた定量化に成功

運用後は、どういった体制が敷かれているのでしょうか。

菅原:運用は、責任者として自分が担当しています。あとは、ほぼアカウントの出し入れをする社員が1名いるだけですね。サービスを維持するための工数は、ほぼゼロに近い状態になっています。管理体制の面でも、かなりのコストが削減できました。

具体的な収集データについて、差し支えない範囲で教えていただけますか。

菅原:収集したデータは、「プロダクト」「内部で分割管理しているサブシステム別」、さらに「工程別」といった階層で管理されています。工程は見積もりからプロジェクト管理、クライテリア、プロジェクト計画、要件定義、基本設計、詳細設計、製造、インフラ系の製造といった分類ですね。今はまだデータが集まってきたところなので、会計上の管理が主です。

「クラウドログ」の高精度な工数データが、他社との違いも社内の変化も明確にしてくれる

以前の工数管理と比べて、「クラウドログ」の活用による変化はありましたか。

菅原:管理者としては、とても楽になりました。これまで取れなかったデータが取れていることも大きいですね。入力する社員側としても、もともと行っていた作業の画面が変わっただけといったとらえ方なので、反発もありませんでした。今まで取れなかったデータや集計結果が簡単にわかるようになったので、本当にかゆいところに手が届いた状態です。

「クラウドログ」で取得されたデータは、どのように活用されているのでしょうか。

菅原:工数管理を徹底したことで、以前から行っていた業界データとの比較において、かなり精度が上がりました。弊社では、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表している「ソフトウェア開発データ白書(金融・保険業編)」の内容と比較しています。この白書は、主に金融会社でベンチマークとして使用されているデータです。基本設計、詳細設計、製作、結合テスト、総合テストと工程別になっていて、すべての工程の中で、各工程が占める比率の振れ幅が示されています。

データを見比べていくことで、弊社の特異性が浮き彫りになりました。弊社のSaaS型としての特徴、SIer型との違いなどもデータで示せるので、社全体としてどこの生産性を改善していくべきか、どの作業で適切な工数計上ができておらず品質懸念があるかなどの分析ができるようになりましたね。今後はデータの蓄積を進め、弊社オリジナルの標準データを整備していきます。

他にも、活用されている例があれば伺いたいです。

菅原:直近では、生成AIの活用による変化の測定に活用しようと考えています。コーディングの世界では、かなりのスピードで生成AIの活用が進んでいます。生成AIの活用前後で計測されたデータがあれば、生成AIを活用した結果も工数の変化で定量化できます。今回は生成AIでしたが、新しい取り組みや変化、トラブルに対応したことが、具体的に誰の、どの工程に波及したかといった内容もデータを見ればわかるようになったので、応用の幅はかなり広いと考えています。

利用が広がる決済の世界で、社内のプロセスも提供するサービスもより高度なものへ変革していく

今後の事業展開について、お聞かせください。

菅原:弊社では、「今まで社会で実現できていなかったことを解決していこう」というマインドで事業を進めています。これからも社会の課題を解決するために、お客様へさまざまなソリューションを提供していきたいですし、社内のプロセスについてもより高度なものへ変革していくべきだと考えています。サービスの安定性や堅牢(けんろう)性も欠かせません。

昨今では個人法人を問わず、決済という機能が身近になっていますよね。クライアントへ機能軸で突出したサービスを提供するだけでなく、非金融系事業者の市場参入の際に”安心・安全”もセットにしたバックアップが必要になるだろうと考えています。

「クラウドログ」の今後の活用について、お考えがあれば伺いたいです。

菅原:現在は会計上の処理に留まっていますが、ベストとしては、工数のチェックをデイリーでも進めていきたいと考えています。デイリーで見ていくと、プロジェクトのマネージャーやリーダーが行う進捗管理・予実管理・品質管理に役立てられます。プロダクト全体で残業などの進捗状況を定量化して評価できるので、進捗遅延や品質異常を早期に検知・是正措置を取ることができ、改善のサイクルが早くなりそうです。

全社でクラウドログを使える状態になっていますが、プロダクトの単位で見ると、まだ工数管理を導入できていないものもあります。もっと広く波及させていきたいので、まずは現在工数管理を進めているグループ会社での実績をもっと整理して、アピールしていきたいですね。

「クラウドログ」の導入を検討している方々へ、メッセージをお願いします。

菅原:クラウドログは業務オペレーションなどの人力で行う業務タスクを、定量的に把握・改善したいと考えているあらゆる企業が使えるサービスです。導入するまでの過程でも、メールのやり取りだけで決定できて、1~2週間後には利用開始できてしまうので、導入にスピード感を求める企業さんには大変ありがたいサービスですよね。

ただ、導入するからには各社それぞれに計測の目的や改善したい対象があるでしょうから、丁寧に設計することをおすすめしたいです。設計する上で質問すると、クラウドログの担当者さんはすぐに返事をしてくれるので、ノウハウもサポートも全面的に頼って良いと思います。ログの取得にハードルを感じる業種や業界もあるかと思いますが、ログを取ることでどんどん楽になっていきますよ。

株式会社インフキュリオン

https://infcurion.com/

2006年5月
事業内容:金融・決済領域を中心としたプラットフォーム提供、コンサルティングなど
社員数:311名(2024年4月現在)
資本金:2億4746万円

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