株式会社CDGは、セールスプロモーションの企画立案から実施まで、顧客の営業活動全般における幅広いサービスを提供しています。デジタル案件やキャンペーン全体の管理など複合的なプロジェクトが増加し、採算性を判断するために工数管理を行ってきました。しかしグループ内の統合に伴い、グループウェアの移行が必要となり、従来のシステムの見直しを迫られました。
2024年10月、新たな工数管理システムとしてクラウドログを導入。Outlookアドオン機能とSalesforceとの連携により、プロジェクトごとの採算性の可視化と、部門別損益管理の高度化を実現しています。導入の経緯と効果について、管理本部 管理部 部長の岸竜二様、同課長の早坂哲耶様にお話を伺いました。

管理本部 管理部 情報システム課 課長 早坂 哲耶様
背景
- デジタル案件が増加し、複雑なプロジェクト管理が必要となってきた
- グループ統合の都合でMicrosoft 365へ移行する際に、既存の工数管理システムが使用不可
- Salesforceと連携するよいシステムが見つからずに困っていた
決め手
- Outlookアドオン機能により、カレンダー上で直接プロジェクトとの紐付けが可能
- Salesforceとのシームレスな連携により、既存の分析基盤を活かせる
- 二重入力を避けられる仕組みで、ユーザーの入力負荷を最小限に抑えられる
- 多数のプロジェクトでも高速に検索・入力できる高い操作性
効果
- 紐付けされていない予定が可視化され、工数入力の精度が向上
- マネージャーが部下の入力状況を簡単に確認できるため、管理の質が改善
- プロジェクトごとの採算性を即時把握でき、戦略的な意思決定に貢献
- 部門別損益管理に向け、全社的な生産性向上への活用が可能に
創業50年、ノベルティ製作から総合マーケティング企業へ
御社の事業概要をお教えください。
岸 竜二様(以下、敬称略):弊社は、もともとノベルティ製作から始まりましたが、徐々に支援する幅を広げ、現在では販促活動全般に携わっています。グッズからキャンペーン企画へと事業を拡大し、その後Web要素が不可欠となってからはIT開発の部隊も発足しました。最近はWeb開発、SNS連携、Web広告に加えて、コンテンツIP(知的財産権)にかかわる案件が増加しています。
年間プロジェクト数は約5,000件にのぼり、多様な業種のお客様に対して最適なソリューションを提供していますが、案件の規模や内容によって業務期間や総量は大きく異なります。デジタル案件やキャンペーン全体の管理となると、システム開発も含まれることも少なくありませんので、物販だけのプロジェクトのような、シンプルな見積もりでは通用しなくなりました。案件が大型化し、経営に与えるインパクトも増大したことで「各プロジェクトの採算性を把握したい」という声があがり、工数管理の必要性が強くなりました。
従来から工数管理に取り組まれていた理由を教えてください。
早坂 哲耶様(以下、敬称略):私が入社した2017年の時点で、すでに工数管理の話題は出ていました。物販だけでなく、デジタル、企画、クリエイティブなど複数部署がまたがる複合案件が増え、人件費や、利益率が見えづらくなっていました。スタッフの業務別にかかる稼働時間も把握できておらず、人員を最適配置するうえでも障壁となっていました。
岸:開発案件は、外注する場合は費用が分かりやすい反面、内製する場合は工数が見えづらく、適正な予算額を設定できませんでした。営業部門も案件規模が大きくなると、顧客訪問の回数が増えるなどプロジェクトの採算性が低下します。案件ごとの費用対効果を算出できなければ、たとえば効率の悪い案件を辞退したり、見積もり額を上げたりといった判断もできません。
そこで2018年頃より別ツールとGoogle Calendarを連携させ、工数管理を開始しました。しかし、案件別に記録するには、カレンダーにプロジェクト番号を含めて手入力する必要があり、入力負荷の大きさから、浸透率は3割程度にとどまっていました。その後、2021年後半にSalesforceを導入するタイミングで、新たな工数管理の仕組みを構築したというわけです。

Salesforce導入により一定の成果を得るも、新たな課題が発生
Salesforce導入後の状況はいかがでしたか?
早坂:SalesforceのカレンダーアプリであるCalsketを活用し入力負荷を半減できました。カレンダーとプロジェクトの紐付け、業務カテゴリー設定が一画面で可能になり、ユーザーからの評判も良好でした。
岸:顧客別の工数が可視化されたことで、利益率や採算性を分析できるようになり、どの案件をより重視するかといった戦略的議論が可能になりました。社内でも工数の使い方に意識が向くようになり、大きな前進が見られたのがこの頃です。
しかし、その後CLホールディングスとの統合により、グループウェアの統一が必要となり、当社で使用していたGoogleから、グループ標準のMicrosoft 365への移行が決まりました。会議室予約などの都合からも移行は避けられず、これまでGoogle Calendarと連携させていた工数管理の仕組みが使えない事態になりました。
どのように解決したのでしょうか?
早坂:Salesforceでの管理が確立されていたこともあり、当初はSalesforceに情報を集約する方針を考えていました。メールやカレンダーの活動を自動的に記録する「Einstein 活動キャプチャ」機能の活用、新たに自社で開発して連携する方法も検討しましたが、費用面や技術面で課題が多く、断念したという経緯があります。
岸:そこで発想を転換し、外部ツールで入力した後にSalesforceへ連携する方法を探しました。それでもなかなか良いツールが見つからずに焦りましたが、Web検索でクラウドログを発見することができました。Outlookにアドオンで画面を出せるというのは想定しておらず、盲点でした。連携ツールばかり探していた結果、クラウドログを知るまで5か月もかかってしまいましたが、すぐ導入まで漕ぎ着けられました。
Outlook連携機能が決め手となり、わずか4か月で導入を決定
クラウドログを試用した際の感想をお聞かせください。
早坂:Outlookアドオン機能の有効性、利便性をすぐに実感しました。クラウドログならカレンダー上で直接プロジェクトとの紐付けができるため、カレンダーに予定を入力した後に紐付け作業を行う二重入力の手間が不要です。ユーザーの入力負荷を最小限に抑えながら、必要な工数データを収集できると感じました。
岸:社内のプロジェクト数が膨大なため、検索がスピーディーなのは重要なポイントでした。デモで試したところ、待ち時間が少なく素早く検索できることを確認できました。これならユーザーの利用意欲が下がることはないと確信しました。
他社製品と比較しての印象はいかがでしたか。
早坂:先に知った他社のツールは開発途中の段階ですぐには導入できない状態でした。一方、クラウドログにはすでに多くの導入実績があったことが安心材料となったのは間違いありません。これほど機能的に充実しているツールが他に見あたらなかったため、社内の意見は早々にまとまりました。
導入はスムーズだったでしょうか。
岸:大きな問題はありませんでした。まずコアメンバーとして営業部門の数名にテスト運用をしてもらい、その後全社へ展開しました。ユーザー説明会を実施し、入力手順や同期方法について丁寧な説明を行ったことも奏功したと考えています。
早坂:話を聞いてから、わずか4か月という短期間でしたが、スムーズに進められました。移行後は、週次の更新作業が新たに発生したことで、一部には負担を感じるという声があがったのも事実です。ただ管理側としては、1週間に一度行う同期作業が、入力した内容のチェックも兼ねており、入力精度の向上に貢献すると考えています。実際にそのように説明することで、理解を得ることができました。

工数データの信頼性向上により、確かな経営判断が可能に
導入後の成果について教えてください。
早坂:工数入力の操作性が大幅に向上しました。以前はカレンダーを開いて時間を紐付けする作業が煩雑で、大まかに入力して済ませることもあったようです。しかし、クラウドログの分かりやすいインターフェースにより、細かな業務単位での正確な入力が自然にできるようになりました。
また、プロジェクトに紐付いていない予定が一目で分かるようになったことも大きな改善です。紐付けされていない項目をすぐに把握でき、入力漏れを大幅に削減できています。
岸:マネージャーからも好評です。クラウドログのレポート機能により、部下の入力状況を月次で詳細にチェックできるようになりました。メンバー別に入力の割合が一覧表示されるため、入力が不十分なメンバーへの具体的なフォローが可能になりました。
こうした取り組みにより、入力精度が向上し、工数データの信頼性が格段に高まりました。現在はクラウドログから高精度なデータをSalesforceに連携し、従来の分析基盤で詳細な分析を行っています。結果として、プロジェクトごとの正確な採算性が把握でき、データに裏付けられた経営判断が可能になりました。曖昧な感覚ではなく、確かな数値に基づいて戦略を立てられるようになったことは、経営にとって大きな進歩です。
全社的な生産性向上と、グループ経営への貢献を目指して
今後の構想についてもお聞かせください。
岸:重要なのは、工数データをマネジメントにどう活かすかです。これまでは顧客別の採算性がメインでしたが、今後は部門別採算へとシフトしていきます。CLホールディングスで部門別採算を営業利益ベースで見る流れがあり、CDGにもこの方針が導入されています。
これから部門別の損益管理が始まれば、ますます工数入力の重要性は高まると予想されます。営業部門だけでなく、企画などスタッフ部門での活用も必要となるでしょう。
早坂:すでに損益管理の仕組みはできているので、現場に工数入力をより浸透させ、数値改善の部分にも貢献していきたいと思います。入力のしやすさから、こまめに記録する意識変化が起こり始めており、長期的には大きな情報資産になると考えています。
工数管理システムの導入を検討中の企業に向けてメッセージをお願いします。
岸:入力したデータをどこにつなげるか、基幹システムやSFAとの連携も含めて、ある程度準備ができている企業には最適なツールだと思います。データの活用先さえ明確であれば、クラウドログは強力な武器になります。
定期的に大きなシステム変更を迫られる時代です。私たちもグループ再編に伴い、使い慣れたシステムを捨てなければなりませんでした。しかし、クラウドログのような柔軟なツールに出会えたことで、変化を乗り越えて、むしろ以前より良い仕組みを構築できることを実感しています。
早坂:カレンダー連携ができるツールとしての側面も、ぜひ多くの企業に知っていただきたいです。Microsoft 365への切り替えに気を取られ、カレンダー連携の課題は後回しになりがちでしたが、クラウドログを発見できて助かりました。同じような課題を抱えている企業の方は、早めに検討していただきたいです。


株式会社CDG
1974年4月
事業内容:マーケティング・コミュニケーションサービスの提供 セールスプロモーションの企画立案・実施 顧客の営業活動全般におけるソリューションの立案・実施
社員数:248名 ※2024年12月期
資本金:450,000千円