株式会社CORIN 理想の職場環境を目指して…徹底した予実管理で、社員のコスト意識を醸成

業種
Web制作・システム開発
企業規模
1-100名
課題
原価管理 / 脱表計算・脱自社システム
右から:代表取締役 中村 聖子 様 取締役 井出 翔二郎 様

2015年の設立から一貫して「お客様に130%の価値を提供する」ことにこだわり続ける株式会社CORIN。エンジニアやデザイナーなど30名ほどの社員が働く同社では、中小企業から上場企業、外資系企業や医療系まで幅広い規模のクライアントと100%直接取引をし、システム開発やデザイン制作のサービスを提供しています。

同社はお客様からの信頼を背景に成長を続ける一方、予実やプロジェクト管理に課題を感じ始めたことをきっかけに、タスク管理ツールやExcelを使用した既存の予実管理方法から脱却し、クラウドログの導入を決定しました。導入の背景にはどのような課題があり、どのような成果がもたらされたのか、ご担当者様にお話を伺いました。

課題

  • 1件の見積もりに対して、複数の部署で品目と売上を割ることができなかった
  • 会社の成長に伴い、プロジェクトを横断した会社全体のリソース管理が困難になっていた
  • プロジェクト単位でしかタスクや進捗管理ができていなかったため、忙しい時期に案件が集中していた

決め手

  • 社員に活用してもらうため、自分たちでかんたんに設定を変えながら運用できること
  • 問い合わせ対応が迅速かつ自社サービスを理解した提案があった
  • ガントチャート機能がシンプルで使いやすかった

効果

  • 同じお客様でも、提供サービスやプロジェクトごとに予実や進捗状況を管理できるようになった
  • 工数が可視化されたことで、適正なお見積り金額の提示が可能に
  • 社員個人がコスト管理を意識できるようになり、自らタスク管理ができるようになった

お客様に130%の価値を提供するため、技術研磨と変化を絶やさない株式会社CORIN

貴社の事業内容をお聞かせください。

中村 聖子 様(以下、敬称略):2015年に設立した弊社は、スクラッチでのオーダーメイド開発からスタートし、現在では自社プロダクト開発やデザイン事業を展開しております。現在では30名ほどの従業員数まで成長し、アパレル系企業を中心に、薬局や小売業のお客様とお付き合いしていることが特徴です。

また、最近ではお客様のノウハウを具現化し、お客様自身でサービスを拡販できるようなシステムの企画・開発・保守まで一貫してご対応させていただくようなご依頼も増えております。

自社の技術研磨を絶やさずに新しい知識を取り入れ、お客様の好むシステムではなく、「お客様のため」になるシステムをご提案することで、想像以上の価値を創造することを意識しております。

井出 翔二郎 様(以下、敬称略):私はシステム部門を統括、管理していまして、マネジメントと実務の両方を担当しています。チーム全体のプロジェクト管理が私の業務範囲で、自身でも開発を行うことも珍しくありません。弊社はバックオフィスを担当する社員以外のほとんどがエンジニアやデザイナーであるため、ほぼ全員がシステム開発やデザイン制作のプロジェクトに携わっています。

タスク管理ツールやExcelによるプロジェクト管理で抱えていた課題とは?

クラウドログ導入以前、貴社ではどのようにプロジェクト管理や予実管理をしていたのでしょうか。

中村:これまでは他社が提供するタスク管理ツールを使用しながら、予実はExcel上で管理していました。社員がまだ数名しかいなかった頃は見積もりの作成にもExcelを使用しておりまして、自分たちでマクロを組んで部署ごとの売上や入金のタイミング、会社全体の売上と粗利を管理できる状態からスタートしています。そこから会社全体の売上まで集計できる見積管理システムを導入し、見積もりと予実の管理を1つのシステム上で行うことになりました。

予実管理にはどのような課題があったのでしょうか。

中村:新たに見積管理システムを導入したことで、1つ困ることが起きたのです。具体的な機能面の話にはなるのですが、その見積管理システムでは1件の見積もりに対して、複数の部署で品目と売上を割ることができなかったのです。弊社では、同じお客様に対してシステム開発やデザイン制作といった複数の成果物を納品することも珍しくないため、Excelで管理していた頃は手作業で数字を割っていました。品目と売上を割ることができないと、たとえデザインデータを納品していたとしても、売上の数字がシステム上ではすべてシステム開発部門の売上として計上されてしまいます。

もちろん、システム上の仕様であることは理解していますが、「実際の売上が把握できない」との声があり、社員のモチベーションにも影響しますし、事業部単位での予算計画も立てにくくなってしまったのです。やはり、見積もりと予実の管理は別々のシステムに分けたほうがよいと判断し、新たに予実管理ができるプロジェクト管理ツールの導入を検討し始めました。

プロジェクト管理にはどのような課題があったのでしょうか。

井出:予実の管理だけでなく、プロジェクト管理にも課題を抱えていました。会社の成長とともに社員が増えたことで、プロジェクト全体を把握することや、3ヶ月〜1年後といった先の予定を立てることが次第に難しくなってきたのです。「誰が、何をやって、今後何をやる予定なのか」がすぐに分からないと、お客様から新しい案件をご依頼いただいても、誰をアサインできるのかを即時判断することができません。

以前は、各プロジェクトの管理者が集まって「誰がどこにアサインするか」と議論していましたが、これでは決定事項を社員全員に共有しにくいですし、プロジェクトの状況は社員全員が確認できる状態が望ましいと判断しました。

すでに導入していたタスク管理ツールには、どのような課題があったのでしょうか。

中村:プロジェクトを横に並べ、それぞれのプロジェクトに費やしているリソースを見比べることができなかったことで、社員のプロジェクトアサイン状況を把握することができませんでした。プロジェクトアサイン状況を確認するためには、別途Excelでデータを集計する必要があったのです。

また、1件の取引先に対し複数プロジェクトが走っている場合や、開発案件と保守対応案件が平行して発生した場合など、社内で発生しているタスク全体を俯瞰して確認できないことから、案件が忙しい時期に集中し、稼働が上がってしまうことを避けられませんでした。

結果として残業が多くなってしまい、会社としてコストが嵩むだけでなく、社員の働き方もちゃんと改善しなければと感じ、ツール導入を決意しました。

システム会社ならではの観点から、導入後の運用を想定してツールを選定

ツールの導入で意識していたことがあればお聞かせください。

中村:弊社自身システム開発を手掛けておりますので、システムはせっかく導入しても運用されなければ意味がないということは重々理解していました。だからこそ、ツールの導入時にはいかに社員に活用してもらうか、自分たちで設定を変えながら運用できるか、といった要素を重視していましたね。

会社にとって予実やプロジェクトを把握するためだけでなく、社員の働き方を改善するためにツールを導入しているので、ツールを入れたことが現場の負担になるのでは、元も子もありません。

ツールはどのように検討しましたか。

中村:インターネット検索でさまざまなツールを比較検討していましたが、問い合わせてから一番速く連絡いただいたのが、クラウドログのご担当者でした。ご担当者の方は本当に良い方で、好印象を抱いたのを覚えています。

弊社の社内体制やサービス内容をすぐに理解いただき、「委託の方と自社社員はこのように分けることができます」「開発とデザインの案件は、このように設定したほうが良いです」など、レスポンスよくさまざまなご提案をいただきました。その後、クラウドログのトライアル実施を決定しています。

クラウドログのトライアルを実施してみてのご感想をお聞かせください。

中村:弊社がやりたいと考えていた予実やプロジェクトの管理に必要な機能が一通り揃っているな、というのが第一印象でした。実際のトライアルではまず、UIやUXを確認しています。

特にガントチャートはこれまでExcel上で作成していたものと比べてもシンプルで使いやすく感じています。ガントチャートに作業工程の情報を紐付けることができるので、各工程ごとにかかっているリソースやプロジェクト期間をすぐに把握することができます。

その他にも、社内に浸透させるにはどのようなルールが必要か、しっかり活用できそうかをトライアル期間に判断しています。

トライアル期間が終了する頃に、役員と現場マネージャーにトライアルの感想を聞いた結果、社内からもクラウドログ導入に対する理解が得られたと判断し、本契約させていただきました。

クラウドログの導入と平行して社内体制やルールを見直し、プロジェクトの可視化を実現

クラウドログの導入はどのように進められましたか。

井出:初期設定の大枠は代表の中村が進め、そこに私が過去のタスク管理ツールやExcelにまとめていたプロジェクト名やタスクに関する情報を入力していきました。これまでも自分たちなりにプロジェクトを管理してきた積み重ねがあったので、比較的スムーズでした。

社内にクラウドログを浸透させるための工夫をお聞かせください。

井出:クラウドログの導入を推進するため、担当者を1名アサインしました。その担当者から、入力していない社員に対して「しっかり入力してください」とリマインドするようにしています。

また、弊社では月曜の午前中に各プロジェクトごとのマネージャーが集まって進捗会議を実施しているのですが、その会議の場にクラウドログからエクスポートした工数レポートを使用しています。この工数レポートのエクスポートも、その担当者の役割です。具体的には、終了したプロジェクトの粗利を確認して高評価できるポイントや反省点、工夫できたことを洗い出し、他のプロジェクトに反映させています。保守案件に関しても、前月と評価対象期間の予実を集計し分析しています。

中村:クラウドログの導入と同時期に人事評価システムの導入も平行していました。個人の予実目標に対しての進捗をクラウドログで確認し、人事評価システムに入力するというルールを設定したことで、積極的に社員がクラウドログを入力するような仕組みにしました。

クラウドログを活用するために実施している社内ルールをお聞かせください。

中村:弊社では、毎月繰り返している一連のルーティンがあります。

まず、月の第1週目に現在終了しているプロジェクトの予実を、各プロジェクトごとのマネージャーが集まって確認しています。

第2週では、3ヶ月後までの予定を調整、入力するように全社員へ依頼します。月100時間の稼働を目安として入力してもらい、もし稼働予定が大幅に超過している社員がいれば、その稼働予定は正しいのか、もし正しく入力しても大幅に業務時間が超えてしまうのであれば、タスク配分を見直したり、外部リソースの投入を検討したりといった対策を講じます。

第3週目には、前週の結果を受けて、社内に常駐している業務委託の方への依頼業務を決定します。

そして第4週目では、これまでの流れで拾いきれなかった新規案件やお客様からのご要望を整理し、クラウドログ内に入力して担当者をアサインしています。

事業部単位の予実管理が可能になり、社員にコスト意識を持たせることに成功!

クラウドログの導入によって、予実管理の課題は解決されましたか。

中村:同じお客様の案件であっても、しっかり事業部単位で予算と現在の進捗を確認できるようになりました。システム開発の案件はプロジェクト自体が長期間になるため、予実管理による工数削減など目に見える成果がはっきりしてくるのは、まだ先になりそうです。

その一方で、単発でご依頼いただくデザイン制作の案件は、クラウドログを導入したことによって、実際の工数に対して受注金額が低い案件がいくつもあったことが分かりました。「他社はこのくらいの金額だったから」というお客様からのご依頼だったため、実際の工数を考慮せずにお見積りしていたことが原因です。クラウドログによって、案件ごとにかかる工数を説明し、適正なお見積りを提示することができるようになっています。

同様にシステム保守のプロジェクトでも、意外と細かな問い合わせの対応にエンジニアの工数が割かれており、予算に対して工数がオーバーしていることが分かったケースがありました。保守案件に加えて開発案件も担っている担当者は、保守案件に工数を割きすぎた結果、オーバーワークになってしまっていることも判明したのです。こうした新たな課題を、定量的なデータで示せるようになったことは大きな成果です。

クラウドログの導入で社内の意識に変化はありましたか。

井出:社員個人がコスト意識を持って案件に取り組むことができるようになったと思います。これまでは各個人が予定に対し、実際にどのくらいの工数がかかっているのか、正確に確認する方法がありませんでした。クラウドログで予定と実績を入力するようになったことで、各個人自らを管理できるようになったと思います。

お客様とのお取り組みに変化はありましたか。

井出:お客様との進捗確認の打ち合わせでは、特に複数のプロジェクトが走っている場合、クラウドログの画面を共有することがあります。以前導入していたタスク管理ツールではできなかった、プロジェクトを横並びに表示することでプロジェクトを俯瞰して把握できるようになり、お客様のほうからリソースの調整をご提案いただくこともあります。

また、お客さまがボールを持ったままで案件が進まないケースもあったのですが、クラウドログをお見せすることで、お客様側のタスクをリマインドすることができるようになったことも、嬉しい変化ですね。

理想の職場環境を目指し、案件管理を徹底しつつも社員の自由もしっかり確保していきたい

今後の展望をお聞かせください。

中村:今後もクラウドログを活用し、より適正なリソース管理を実現することで働きやすい環境を作っていきます。意識の統一や案件管理を徹底しつつも、社員の自由をしっかり確保して長く働ける環境を作ることは、決して簡単なことではありません。理想の職場環境を目指すため、便利なツールを活用したり、ルールや仕組みを整えたりと、今後も積極的に取り組んでいきたいですね。

クラウドログは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

中村:弊社にとってクラウドログは、プロジェクトを可視化し、社員にコスト意識を持ってもらえるツールです。弊社のような中小規模のシステム会社だけでなく、大きなシステム会社でもクラウドログは活躍するのではないでしょうか。

意外かもしれませんが、大きなシステム会社でも未だにExcelで管理していることは珍しくありません。古いやり方からいち早く脱出し、情報やデータを社内に共有して可視化することこそ、私は大事だと考えています。

株式会社CORIN

https://www.corin.ne.jp/

事業内容:システム設計・開発・保守、自社アプリパッケージ「TENCO」の提供、WEBデザイン、グラフィック制作
従業員数:30名
資本金:2,000万円

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