Dr.JOY株式会社
:プロジェクト・工数管理ツール導入事例

データドリブンな意思決定を実現 急成長ベンチャーが実現した工数管理による生産性向上

業種
IT・通信
企業規模
1-100名
課題
生産性改善・働き方改革

医療従事者向けの勤怠管理システムや医療関係企業向けの入退館管理システムなど、医療関係者向けに幅広いソリューションを手がけてきたDr.JOY株式会社。事業拡大とともに社員数や業務量も急増していました。そのような状況下で、経営判断の精度を高めるため正確な工数管理が求められ、クラウドログの導入を決定しました。運用設計や現場へのオンボーディング支援を担当された人事総務部 デジタル戦略チームの中西和輝様に、クラウドログ導入の背景や苦労、得られた成果についてお伺いしました。

人事総務部デジタル戦略チーム 中西和輝様

背景

  • 週報では、記録の粒度や方法にバラつきがあり、正確な業務把握が困難
  • プロダクトの多様化と社員数の急増により、リソース配分が不明瞭
  • データに基づく経営判断の必要性が高まり、全社での業務可視化が急務

決め手

  • 入力項目を自社に合わせて柔軟に設計でき、運用中のメンテナンス性も高いと感じた
  • PC操作ログとの突合により、申告内容の正確性を向上できる
  • 入力方法がシンプルで、現場でも定着しやすい

効果

  • 高い入力率と、PC操作ログとの突合により、工数データの信頼性が大幅に改善
  • 稼働状況が可視化され、マネジメントやリソース再配分の判断精度がアップ
  • 定量的な裏付けにより、経営における意思決定のスピードと質が向上
  • メンバーが自身の稼働内容を客観的に振り返る機会が増え、生産性への意識が強化

急拡大を続ける医療業界向け効率化ソリューション

事業内容について教えてください。

中西和輝様(以下、敬称略):弊社は、医療機関の業務効率化や情報連携を支援するITソリューションを展開しています。主なプロダクトには、勤怠管理にビーコンを活用したシステムや、医師向けの情報提供ツール、そして最近ではAIによる電話対応の自動化ソリューションなどがあります。そのほか製薬会社向けの業務効率化ソリューションも展開しており、広く医療にかかわる方々の負担軽減に貢献しています。

組織体制についても教えていただけますか。

中西:当社は現在、連結で約250名、日本国内では100名弱が勤務しています。特に2年前のAI電話対応プロダクトの立ち上げ以降は事業が大きく拡大し、この1〜2年だけでも約20名もの社員が増員されています。新卒、中途ともに採用が活発で、組織として次のフェーズに入ってきている実感があります。主なオフィスは東京ですが在宅で勤務している社員、さらに各地の病院へ営業を行うため全国に営業社員が点在しています。その他、ビーコン機器の在庫管理などを行う相模原の倉庫、そしてベトナムに大規模な開発拠点を設けており、現地には約200名の開発チームが在籍しています。

私が所属するデジタル戦略チームは、実質的には社内の情報システム部門にあたります。加えて、事業や売上に貢献する視点をもった戦略提案もミッションとして課せられています。現在は上長と私の2名体制で、社内インフラや業務システムの整備、今回のような新規システムの導入なども担当しています。

経営判断の精度を高めるために、全社の業務可視化が急務に

工数管理に取り組もうと思ったきっかけは何でしたか?

中西:急激な組織拡大により、社員の活動状況や各タスクの時間配分を、定量的に把握できないという課題が生じていました。従来はスプレッドシートによる日報で、タスクの記録だけを行っていましたが、時間や工数に対する意識が薄く、入力率や精度もバラバラでした。この状態では、残念ながら経営判断に使える情報とまでは言えませんでした。

今回のクラウドログ導入は、開発部門の工数管理だけでなく、間接部門も含めた全社的なリソースを把握することが狙いでした。生産性が低く、コストのかかっている業務を把握しなければ、適切な人材配置もできません。そのため、経営陣は早期から全社規模での工数の可視化が必要だと考えていたようです。

クラウドログの導入に至るまでのプロセスをお聞かせください。

中西:導入の決定は経営陣が主導して行いましたが、実際の運用設計や社員への展開は私が担当しました。導入初期は、入力方法を全社員に説明し、1日分の業務時間すべてに工数を入力する体制を整えました。未入力者には直接声をかけ、丁寧にフォローするなど、地道に啓蒙活動を続けました。

導入以降に入社した社員に対しては、初日から工数入力を依頼することで、自然と工数を入力、報告する習慣が根付くようになっています。配属先の先輩社員が実際にどの工程を選択しているかを参考にしながら学べるため、特別な研修を用意しなくてもそのまま慣れていくように感じています。

導入時の苦労はどのような点にありましたか?

最も大変だったのは、工程設計の初期設定です。プロジェクト・工程グループといったシステム内におけるレイヤー構造の理解には時間がかかりました。プロダクトごと、事業部ごとの業務内容に応じた適切な分類をつくるため、設計を一人で担うのは大変でした。

工数分類の粒度についても、各部署のマネジメント層からの要望に応じて調整を行う必要があり、何度も見直しを重ねました。設定項目と実際の業務にズレが生じないように、現在も「その他」カテゴリの内容を定期的に見直し、必要に応じて工程を追加・再設計するなどのメンテナンスを続けています。

入力率を高めるためにどのような試みを行いましたか?

導入後は定着率を上げるために、終業時にクラウドログへ必ず入力する意識づけを行いました。毎日の朝会でマネジメント層から入力状況を確認してもらい、入力徹底の文化を作りました。ユーザーにとっても、工程を3クリック程度で選べるようにするなど、極力シンプルな操作性を意識しました。

入力は、経営トップからの指示であることを明確にし、必ず工数を入力するルールにした結果、入力率100%を達成できました。

マネジメント精度や現場の効率化意識の向上につながった

他のシステムと連携して活用されているとお聞きしました。どのような運用なのか、詳しく教えていただけますか。

中西:当社では、PC操作ログを記録するツールを併用しています。クラウドログで報告される工数と実際のPC操作時間を突合した結果の情報を活用しています。それにより自己申告が正確か、工程選択が妥当なのかを検証できるようになりました。申告内容とPC操作ログに大きな差異がある場合は、上長との面談を通じて業務報告の改善指導を行います。

従業員やマネージャー層の評価はいかがでしょうか?

中西:使用開始当初は、工程の選び方に迷うという声は一定数ありましたが、一定期間を経過するとすぐに慣れていきました。それだけ操作が覚えやすく、分かりやすいUIなのだと感じています。マネージャー層からは、可視化された工数データにより、部下との1on1でのフィードバックや、採用判断、リソース配分の根拠が明確になったという声が多く上がっています。また、メンバーに対し、業務内容や工数に関するフィードバックを行うことで、不要な会議や効率化できそうな業務の振り返りや、メンバー自身の生産性意識の向上につながっているようです。

このように、一方通行の管理にとどまらず、客観的な数字をもとに、メンバーとの対話を通じて双方向の改善を図る動きが生まれています。部門ごとの工数比較も可能になり、部署間の生産性分析や、効率的な業務再配分への示唆も得られるようになりました。

当社は約7割の社員がリモート環境で勤務しており、直接マネジメントすることが難しい状況ですが、クラウドログの活用により、リモート下でもマネジメントの質を維持できていると感じています。加えて、データを基にしたコミュニケーションが可能になったことで、オンラインでも納得感のあるフィードバックがしやすくなったという声も聞かれます。

クラウドログ導入後の、経営層からの評価もお聞かせください。

中西:弊社では、もともと社長自身がデータに基づいて意思決定をしたい思いが強く、工数管理もその一環として導入が進められました。結果としては社長の思い描いた通り、クラウドログを通じて集約された工数データが各事業部のリソース把握や再配分を判断する材料になっています。プロジェクトごとの成果とかかった工数を比較し、生産効率が悪ければ人的リソースやプロジェクト自体を見直すといった戦略的な判断も可能になりました。

さらに、工数の集計結果をもとに、長期的な人員や事業予算の計画といった将来予測を立てやすくなっています。以前は感覚ベースで行われていた判断が、定量的な裏付けを持つことで、意思決定のスピードと質がともに向上していると感じます。

工数データを経営データと連携し、利益向上に役立てたい

今後の展望や目標をお聞かせください。

中西:今後は、さらに工数のデータ活用範囲を広げていきたいと考えています。たとえば、評価制度への反映や、タスクごとのROI(投資対効果)分析なども視野に入れています。単に時間を記録するのではなく、利益に貢献している業務や全体の生産性に寄与している仕事を明確にすることで、より質的な評価に結びつけていきたいです。

その一環として、工数データと他の社内システム、たとえば顧客管理システムや会計・財務システムとの連携も検討しています。工数の可視化から企業経営全体の可視化に発展させるためにも、クラウドログを管理基盤として活用できればと考えています。

工数管理システムの導入を検討している企業へのアドバイスをお願いします。

クラウドログを導入して、業務の実態が数字で見えるようになったことで、経営判断の質も、現場の会話の質も変わったと実感しています。実際にどこに時間が使われているのか、具体的に可視化されるだけで、社員一人一人に生産性やコストへの意識が芽生え、組織がギアアップしたと感じています。

導入当初の工程設計など苦労する点はありましたが、正しくデータが蓄積されることで、確実にチーム内で業務改善に繋がっているため、導入して本当によかったと思っています。

もし工数管理に少しでも興味があるなら、クラウドログはその第一歩としてとてもおすすめできるツールです。業務を可視化したい企業には、きっと力になってくれるはずです。

Dr.JOY株式会社

https://drjoy.co.jp/

2013年11月15日
事業内容:医療分野におけるソフトウェア開発および運用、医療機関への医療及び医薬品情報の提供
社員数:76名
資本金:39億円(資本余剰金含む)

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