株式会社イーストは、商業施設の運営に必要なシステム開発、オペレーション支援、販促企画を提供する総合サービス企業です。全国1,300名を超える従業員が、主要デベロッパーの商業施設運営を支えています。
同社のBPOセンターでは、コストセンターとしての生産性可視化と原価管理の精緻化を目的に、2025年5月からクラウドログを導入しデータに基づく経営判断への転換を進めています。導入の経緯と現在の活用状況について、経営企画部 部長の岸健史様にお話を伺いました。

背景
- 客先業務を集約したBPOセンター設立に伴い、工数管理による生産性の可視化が急務となった
決め手
- 機能と価格のバランスが最適で、必要十分な要件を満たしながらコストパフォーマンスが優れていた
- プロジェクト項目を追加できる柔軟性により、複雑なコード管理が可能
- 会計システムとの連携実績があり、拡張性にも期待ができた
- 自社特有の事情を汲み、トライアル期間の延長などの要望に応えてくれた
効果
- 工数管理の基盤が整備され、信頼性の高いデータの収集を開始できた
- データ集計作業が効率化し、管理業務の負担が軽減
- SP(販促関連の企画立案)事業では稼働率が5%pt向上し、原価率低下と利益向上を実現
部門新設をきっかけに生産性の可視化が求められた
貴社の事業概要を教えてください。
岸 健史 様(以下、敬称略):弊社は、商業施設の運営管理に関わる総合的なサービスを提供しています。主にテナント総合管理システムなどを提供するシステム事業、売上管理や営業サポート業務、スタッフ研修などを行うオペレーション事業、そして販促関連の企画立案を行うSP事業を手掛けます。その他にも商業施設運営の支援を通じて得た知見をもとに、地方創生事業や観光案内・インバウンド事業なども手がけています。
工数を管理している部署と業務内容を教えてください。
岸:今回クラウドログを導入したのは、BPOセンター運営部という部門です。2025年に組織改編を行い、客先業務の一部を切り出して業務集約を行っていた各地の自社センター拠点を組織として一元化しました。
BPO業務を一元管理することで効率化と生産性向上を図っており、現在150名以上のスタッフが在籍しています。
BPOセンターでは、切り出した客先業務を分解し、品質を維持しながら効率の高い業務プロセスを構築することで、インプットから最大の成果を引き出すことが重要となります。そのため、工数管理による生産性の可視化は欠かせませんでした。
こうした背景に加え、BPO経験豊富な責任者の着任を機に、工数管理の必要性が社内で再認識されました。データに基づく客観的な経営判断を可能にする体制づくりが急務となり、システム導入が加速しました。

現場のニーズに寄り添う機能と投資対効果の高さが決定打に
ツールの比較検討はどのように進められましたか?
岸:選定にあたっては、他社製品も含めて資料を取り寄せ、機能、価格、使い勝手などを総合的に比較検討しました。さらに弊社で利用している会計システムのベンダーに相談したところ、会計システムとの連携実績もあると分かり、将来的な拡張性にも期待が高まりました。
クラウドログを選んだ決め手を教えてください。
岸:クラウドログを選んだ最大の決め手は、機能と価格のバランスが最も優れていたことです。他社製品の中には、さらに充実した仕様を持つものもありましたが、今回の導入の目的はあくまで現場の工数データを確実に収集することでした。弊社が本当に必要とする要件を精査したうえで、最も費用対効果が高いと判断したのがクラウドログというわけです。
機能面では、プロジェクト項目を追加できる柔軟性が魅力でした。弊社では、案件管理用のプロジェクトコードに管理会計用のコードを紐づけることで、経営判断に必要なデータ管理を行っています。しかし、既存の工数管理ツールでは設定できるプロジェクト数に制限があることから、手動で紐づけしなくてはなりませんでした。クラウドログなら、この複雑な管理体系にも柔軟に対応でき、煩わしい手作業も不要になります。
さらに使い勝手の良さも重要なポイントでした。150名以上のスタッフに日々入力してもらう必要があるため、直感的に操作できるインターフェースは必須条件でした。BPOセンターの責任者が試用し、違和感やストレスが少なく、問題なく運用できそうだと判断したことも導入の後押しとなりました。
運用開始までのプロセスを振り返っていただけますか。
岸:BPOセンターでは、15チーム以上がそれぞれ異なる作業工程を持つため、一斉導入ではなく段階的に展開していきました。まず準備段階として、
・マスターである基本設定データの整備
・主要メンバーへのルールや運用趣旨の説明
・スタッフの習熟期間
を設けました。
また、導入にあたっては、チームリーダーに任せるのではなく、責任者を含む4名程度の専任チームが中心となって進めました。チームリーダーには日常業務がありますから、工程の棚卸しやマスター設定を専任チームが主導することで、効率的に準備を進められました。その後、プロジェクト数や工程数が少ない比較的シンプルなチームから始め、徐々に拡大していきました。
クラウドログには、段階的に導入したいという弊社の要望に合わせてトライアル期間を延長してもらうなど、柔軟に対応いただき助かりました。営業担当の方とのやり取りもスムーズで、導入前の提案から実装まで、きめ細かなサポートを受けられたので大変ありがたかったです。

客観的データによる議論の基盤が整い、本格活用へ
導入後の活用状況はいかがでしょうか?
岸:導入から数ヶ月が経過し、ようやく工数管理の基盤が整ってきたという段階です。データを用いて、具体的な成果につなげるのは次の段階ですが、信頼性の高いデータが蓄積されてきたことには手応えを感じています。
運用面では、入力ルールの定着にまだ課題があります。選択ミスや日次入力の未徹底は減ってきましたが、依然として一部に残っています。ただ、これは導入初期においては想定内であり、今後さらに現場への浸透を図っていく予定です。一方で、データの集計や取り扱いのしやすさは当初の期待通りに機能しており、管理業務の効率は確実に向上しています。
SP事業では、クラウドログの導入により稼働率が従来より5%pt改善し、原価率の低下と利益向上につながったとの報告もあります。詳細な分析はこれからですが、空き時間や工程期限が明確になり、見過ごされていた時間に適切に工数が割り当てられるようになった結果、生産性が向上したと考えられます。
今後、クラウドログの活用がさらに進み、データの精度が向上していくことで、このような生産性向上の事例が多く生まれることを期待しています。データに基づく経営判断の土台が整いつつある今、本格的な成果はこれからだと確信しています。
工数の可視化から管理会計の精緻化へとつなげていきたい
今後のクラウドログ活用に向けて、目標や目指す姿はありますか?
岸:まずは3ヶ月程度かけてBPOセンター内の運用ルールを徹底し、現在の生産性を可視化します。その後1年をかけて段階的に生産性向上を図る計画です。毎月の改善目標を明確に設定し、目標に届かなかった場合は原因分析を行い、改善策を講じるというPDCAサイクルを回していきます。
中長期的には、BPOセンターで培ったノウハウを他部門へ展開し、工数管理を全社的に広げていきます。
システム面では、工数管理データを活用し、現在運用している請求書発行、給与計算などの各システムと管理会計システムを連携させることで、管理会計の精度や業務効率をさらに向上させたいと考えています。特に勤怠管理システムとの連携が実現すれば、工数データの正確性が向上し、より精緻な原価管理が可能になると期待しています。
クラウドログをご検討中の会社様へ、メッセージをお願いします。
岸:クラウドログを選んで良かったと感じているのは、弊社のフェーズや事情に応じて柔軟に対応してもらえた点です。営業担当だけでなく、エンジニアも含めて、こちらの要望に真摯に向き合ってくれました。導入後のフォローアップ体制もしっかりしており、担当してくれた方々と一緒にプロジェクトを進めたいと思える信頼関係を築けたことは、導入を成功させる上で大きな要素でした。
工数管理は組織にとって大きな変革です。ツールの機能や価格も重要ですが、それ以上にベンダーとの信頼関係が成功の鍵を握ります。クラウドログは、その両方を兼ね備えたサービスだと実感しています。まずは小さく始めて、徐々に拡大していくアプローチをお勧めします。


株式会社イースト
1997年10月
事業内容:商業施設の運営に必要なシステム開発、オペレーション支援、販促企画を提供
社員数:1,249名
資本金:2,000万円






































